野党統一には運動による発展がある

雑感

野党は統一という流れが太くなってきている。参議院選挙における共通政策も3年前よりかなり発展した。

選挙戦がもうすぐ始まるので、歴史的な到達点である共通政策を載せておきたい。

市民連合と5野党・会派の「共通政策」

市民連合の要望書
来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう要望します。

だれもが自分らしく暮らせる明日へ

1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。
2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。
3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。
4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。
5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止に向けた対話を再開すること。
6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。
7 毎月勤労統計調査の虚偽など、行政における情報の操作、捏造(ねつぞう)の全体像を究明するとともに、高度プロフェッショナル制度など虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止すること。
8 2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること。
9 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能とするための保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充すること。
10 地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金「1500円」を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消すること。また、これから家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるように公営住宅を拡充すること。
11 LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数化(パリテ)を実現すること。
12 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽(いんぺい)の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること。
13 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。

 2019年5月29日
私たちは、以上の政策実現のために、参議院選挙での野党勝利に向けて、各党とともに全力で闘います。
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で闘います。
立憲民主党代表 枝野幸男
国民民主党代表 玉木雄一郎
日本共産党委員長 志位和夫
社会民主党党首 又市征治
社会保障を立て直す国民会議代表 野田佳彦

選挙になれば野党統一は野合だという批判が、また聞かれるようになるだろう。しかし、国民一人ひとりの意見を尊重していけば、当然意見の違いがあっていいということになる。この数年間、野党は、意見の違いを認め合いつつ、一致点を確認しあいながら、共同で運動を行い、国会で闘いを重ねてきた。その中で共通認識が広がって、13項目の共通政策が生まれてきた。
原発に対する認識しかり、沖縄の普天間基地と辺野古新基地建設反対しかり。
これは、一致点でいっしょに運動すれば、認識も広がるし、深まるということを実際の姿で示しているのだと思われる。
自公政権が、憲法を乱暴に踏みにじり、社会保障を削り、負担を増やし、働き方を悪化させて賃金を切り下げる方向へと労働条件を破壊する政策を続けてきたことに対し、野党が共同で立ち向かってきたことが、共通政策の合意として実っている。

ここに国民の力で政治を切り開く夢と展望があるのではないだろうか。一致点で力を合わせれば、人間関係も豊かに発展するというのがいい。人間は捨てたもんじゃない。わかり合えるし協力し合える。野党共闘は、さまざまな違いがあっても、力を合わせることができる一つの事例になっている。人間っていいな、面白いなということが、野党共闘には現れている。

基本理念の違う政党が、特に日本共産党なんていう政党が入っているのに、一緒にやっているのはおかしい。というような意見は、実に了見が狭い。人間の魅力というのは、違いを認め合いながら力を合わせるところにある。この魅力が見えないのは、人間の豊かさと可能性を信じられないことにつながる。政権党は、もっと懐の深い集団であってほしい。

違いを認めながら一致点で政権を運営するのは、民主主義そのものだ。野党共闘による政権ができたら、懐の深い、人間に優しい政権になるのではないだろうか。

今回の共通政策は、市民連合のはたしてきた力も大きい。野党は統一して自民党に立ち向かうべきだという国民の中から生まれてきた運動に野党が支えられて、共通政策を結ぶに至ったということだ。国民1人1人の力が政治を動かし、これに野党が呼応して、国民が望む政策を掲げるに至った。国民の力は小さいものではない。個人の力も大きい。国民の力、個人の力が生きて、野党を動かしてきたという経過にも大きな価値があるのではないだろうか。


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雑感

Posted by 東芝 弘明