本田美奈子.さんへ 2005年11月17日(木)

雑感

朝、新聞の早朝配達に向かう車の中で、本田美奈子.さんのAmazing Graceを聞いた。涙が出そうになった。
歌を聞いて、ものすごく心が動くことはたくさんあるが、涙が突き上げてくるようなことは初めてだった。
彼女が、再起をかけて病気と闘っていた中で亡くなったからだろうか。
今は、手元に「つばさ」という曲がほしい。
あの歌には、胸に染みこむ力がある。
Amazing Graceは、聖歌である。この曲を知ったのは、「白い巨塔」だった。
財前五郎の生き様を、「それでもいいのだよ」と許すような曲だと思っていた。
歌詞にはこういう意味が込められている。

道を踏み外しさまよっていた私を
神は救い上げてくださり
今まで見えなかった神の恵みを
今は見出すことができる


生で聞いたのは、聖心幼稚園の新園舎の竣工式のときだった。聖歌を歌う歌手の方が参列者の前でこの歌を歌ってくださった。この時も目頭が熱くなった。
誠に勝手ながら、
本田美奈子.さんの生きた姿を誰かに書いてほしいように思う。
最もふさわしいと思われる作家がいる。
「絶対音感」を書いた人。
その名は最相葉月。
この人の筆力で本田美奈子.さんを本の中によみがえらせてほしい。
そう思う身勝手を、最相葉月さんに伝えたい。
本田美奈子.さんへ。
あなたは、この曲をどんな思いで歌っていたのでしょうか。
あの歌には、アメリカ移民の苦しみの中から出てきた祈りと救いがあるように感じていました。
英語なのになぜか思いが伝わってくるような歌ですよね。
10月19日に病床で選曲し、リリースしたアルバムの題名は、「アメイジング・グレイス」。
この曲に自分の再生を託していたのでしょうね。
しかし、あなたは、「アメイジング・グレイス」や「つばさ」などの曲を私たちの前に残して、天に昇っていかれました。
なんだか、この曲を聴いているとあなたが真っ直ぐに天上とつながっているような感じがします。
自分の前に目標をおき、最後まで努力して生き抜いた人。
ファンの声援を励みに白血病と闘った人。
真っ直ぐに前を見つめ続けた人。
そう感じています。
人間は、弱い面をいっぱいもっているし、矛盾した存在だし、不格好な生き物です。だけど、あなたのように生き抜いた人を何人か知っています。
芸能界でいえば、渥美清さん、宇野重吉さん、美空ひばりさん、などなど。
人間に生き抜く力があることをあなた方は、今を生きている人々に伝えています。
亡くなってからアルバムを購入したことをなんだか申し訳なく感じます。
舞台に立ち、どこまでも伸びていく歌を目の前で聞いてみたかった。心にしみて、涙が流れるのなら、流れるままあなたの歌に浸りたかった。そんな風に後悔しています。
しばらくはあなたの歌声を繰り返し聞こうと思います。
あなたの歌に心を動かすことが、冥福を祈ることにつながると信じて。
あなたが残したものは、美しく清らかでした。人々は、今、あなたに救われています。


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雑感

Posted by 東芝 弘明