戦後の歴史を受け継ぐために

日本共産党は、1922年に創立され、今年で103年になる。侵略戦争に反対し、国民主権を貫いて来た政党だという点に、103年間は貫かれている。国民主権を唱える日本国憲法が誕生したのは、大きな歴史的転換だった。
明治維新以降の日本の歴史は、資本主義の発展とともにあったが、国民主権を社会の根っこに根付かせるための運動とたたかいは、今もまだ続いている。
日本が起こした侵略戦争は、ドイツとイタリアのファシズムと結びつくことによって、植民地に支配されていた全世界への挑戦となった。それは、領土の再分割を求める帝国主義的な侵略戦争だった。日本はアジアを開放するために立ち上がったのではなく、ドイツの電撃的なヨーロッパでの侵略戦争に乗じて、アジアでヨーロッパ列強が支配していた東南アジアを含めて、今こそ日本の支配を確立できると意気込んで、戦火を西はビルマまで広げ、オーストラリアにまで日本軍を送り込むような無謀な戦争だった。
この戦争を侵略戦争だと言わない自民党政権は、戦前の日本の戦争は一体何だったのかという認識を明確に持たないことになる。アジア諸国民2000万人以上が、日本軍の手によって殺害され、日本人も310万人の命を失った戦争は、日本帝国主義による日本の侵略戦争であり、これは、客観的な資料で幾重にも明らかにできる歴史的事実である。
日本による侵略戦争だった事実は、連合国が行った「ポツダム宣言」及び、それを受け入れた大日本帝国、これに基づく天皇の玉音放送、ポツダム宣言の受け入れを示した1945年9月2日の降伏文書への調印だけでも証明できる。
アメリカは連合国群最高司令官総司令部(GHQ)として戦後日本を占領下に置いたが、目的は日本が受け入れたポツダム宣言の実施にあった。この一連の歴史によって、戦後の日本の原点が形成された。
日本国憲法と憲法第9条は、人類5000万人の命を奪った第二次世界大戦の結果として、日本の地で生まれたものであり、国連憲章の精神をさらに発展させる内容を含んでいた。憲法第9条は、当時の保守政党が、国民世論や学者の研究を踏まえて生み出したものだった。人類の歴史の中で生まれた憲法第9条は、交戦権の放棄と軍隊の放棄、恒久平和、国民主権というものと一体のものとして、日本国民の中に受け入れらた。日本の主要都市のほとんどが焼け野原となり、広島と長崎に原爆が投下された日本は、戦後の廃墟の中で、戦後日本の未来を指し示す憲法を手に入れた。
日本国憲法は、当時の日本の現状と比べると、極めて理想主義的だったのかも知れない。しかし、一見理想主義的に見える憲法が、権力者の手を縛る現代的な憲法だったがゆえに、実際、憲法改正を望んだ政権党の手を縛って、改正を許さないという力を発揮してきた。明治維新以降、資本主義の発展とともに富国強兵という目標の下で、戦争に明け暮れた明治維新以降の77年間は、日本国憲法の成立によって戦後戦争をしない国へと大変貌を遂げた。明治維新から昭和20年(1945年)の戦争終結までの歴史は77年、これに対し戦後の歴史は今年で80年になる。
日本の歴史と伝統は、諸外国と戦争に明け暮れるというものではない。江戸時代も含めると、外国と戦争をしなかった歴史は、戦後の80年間も含め、はるかに長い。むしろ、明治維新以後、天皇を中心とした国家体制をしいたがゆえの77年間の歴史の方が、日本の歴史の中では特異なものだった。
「歴史はその巨大な頁を音なくめくったのであった」
と宮本百合子が「播州平野」という小説で書いたように、国民に主権のなかった戦前の社会体制は、戦後、180度ひっくり返って、国民主権と、恒久平和、基本的人権、議会制民主主義、地方自治という戦前には確立していなかった原則を確立して再出発した。
ただ、日本国憲法は、まだ闇市が残っていた時期に生み出されたものであり、その精神が法律の隅々に生きるということにはならなかった。国民主権や国民の権利を掲げた運動は、日本国憲法と結びつき、国民のたたかいを通じて一歩一歩実現せざるを得なかった。国民主権を日本国憲法どおり実現するためには、現実の政治や経済の変革を必要としており、憲法の原則を実現するためには、もう一度民主的な革命が必要だというものになっている。
どうして、そういうことになるのか。それは、戦後日本を支配したアメリカが、今日もなお日本政治に深い影響を与えており、さらに大企業中心の政治を実行している自民党的な政治が、憲法を踏みにじるような法体系と体制を組んで、国民の新たな支配をつくろうとしているからに他ならない。
戦後の日本共産党の運動は、国民主権の実現とともにあった。ぼくたちの地方議員の訴えと努力は、すべてこの国民主権の実現と深く結びついている。日本共産党は、何よりもまず「如何にして国民主権を実現するのか」という点を大事にして、活動している。日本国憲法どおりの日本をつくることが、国民の幸福の条件づくりと直結している。
このような日本は、政党による連合政権、国民の運動によって生み出される。経済的にも民主的な改革を進めることも合わせ、日本国憲法を文字通り実現する道は、民主主義革命という課題になる。
法人税を減税し、消費税で穴埋めしてきた1989年以降30年以上の歴史は、税の民主的な負担の在り方を壊してきた。消費税5%の実現と、法人税の引き上げは、税制の中に国民主権を貫く上でも、欠くことのできない改革になっている。










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