笠田行政懇談会でのやり取り
笠田地域の行政懇談会に参加した。「町長の説明には驚いた」というのが率直な感想だ。どのようなやり取りがあったのか、録音(「無限文字起こし」というソフトを活用している。変換率が高い)をもとに紹介し、考察を試みたい。
長くなるのは、引用をきちんとしているからでもある。話し言葉というのは、切り取ると真意が伝わらなくなる恐れがあるので、切り取りにならないよう注意した。
まずは第3番目のこども園。
質問した人は単刀直入に「保育園(ママ、正確には「こども園」)をもう1箇所建設する予定があるかどうか、お伺いします」と聞いた。
これに対し町長は、
「これは率直な現状の状況と私の考え、意見です。保育園については、今の状態ではパンクするなと思ってますが、総数は減っていきます。
例えば、令和元年度は91人(出生人数)でしたが、私が就任した年度は91人でしたが、100人切ったのっていう感覚で91だったのが、もう56まで来てます。
ただ、ありがたいのは0歳から15歳までのところは、14歳の学年だけがマイナス3人です。それ以外の学年は全部生まれた子どもの数より今のほうが多いです。
例えば、56人生まれたけど、今57人います子どもは。そのが0歳はとか、後のとこも全部そうです。60数に生まれてても70人超えてるとかっていうことで、子どもの数は一定増えるようになりましたので、ありがたい。
じゃあこれをどうしていくかってこと考えた時に、総数的にはやっぱり減ってるので、保育園を第3の保育園を建てるのか、例えば三谷保育園のところに増設をしてちょっとキャパを増やしていくのかとか、そういったことも考えなあかんし、例えば佐野保育園でいうたら佐野保育園で送迎のために駐車場を確保しておりますけども、あそこの一部を園舎をちょっと増築するなりして、送迎の車とか先生たちの車をどこか別なところに確保するとか、いろんなやり方がありますので、第3の保育園という形で決定してやってるわけではなくて、今の子どもたちの増えてる状況を鑑みながら何とかせな。
例えば笠田小学校ももう1クラスも増やせません。これ以上増やすんだったら、校舎を増築しないといけないところまで笠田小学校が増えてます。
ですけど、このことをじゃあ、新たに立てましょうって言うてしまった時に、その後どうなるの?と言ったら、総数的には減っていくわけですから、そのことを考えたときに、どのような形でこの状況を乗り切っていくかってことは、しっかり考えないと、投資をしてしまうと、その借金がずっと払っていかなあかんわけですから、そこはやっぱりお金が溜まってきたからこそ、どうやって大事に使うかってことをしっかり考えたいと思ってるんで、いつも言わしていただいてる通り、ないと困るやつは絶対やります」
いくつかの質問に対して、こういう形で考えつつ答弁している。一つ一つのテーマに分けて答弁していないので、少し分かりにくい。
問題はこの部分。
「じゃあこれをどうしていくかってこと考えた時に、総数的にはやっぱり減ってるので、保育園を第3の保育園を建てるのか、例えば三谷保育園のところに増設をしてちょっとキャパを増やしていくのかとか、そういったことも考えなあかんし、例えば佐野保育園で言うたら佐野保育園で送迎のために駐車場を確保しておりますけども、あそこの一部を園舎をちょっと増築するなりして、送迎の車とか先生たちの車をどこか別なところに確保するとか、いろんなやり方がありますので、第3の保育園という形で決定してやってるわけではなくて、今の子どもたちの増えてる状況をかんがみながら何とかせな。」
こども園については、3月会議のときの東芝(議員)の一般質問に対する答弁以後、議会で態度表明をしているわけではない。3月議会おける答弁が、現時点での最終的な当局の公式見解になっている。今日説明した内容が、議会答弁を踏まえたものになっているかどうか。
3月会議の一般質問のときの議事録を引用してみよう。
「議長 11番東芝君
11番議員 そうしたら教育長にお尋ねしますけれども、この令和9年もしくは令和10年に地域優良賃貸住宅が建設されると、それに併せて新たなこども園をもう1園つくるということであれば、今から具体的に取り組まないと間に合いませんよね。これは間違いありませんか。
議長 教育長、前田君。
教育長 東芝議員の御質問にお答えいたします。若者向けの地域優良賃貸住宅が建設が始まることによりまして、それが横ばいになるのか、また増えるのかというようなことを見据えて、今、検討しているところです。それはもう既に検討してきておりますので、それを見据えて、また判断していきたいと、そう考えております。
議長 11番、東芝君。
11番議員 重要なのは、地域優良賃貸住宅ができてから建てる決意をして建て始めるのか、地域優良賃貸住宅ができるときに新しいこども園が新たにスタートするのかと、これどっちなんですか。
議長 教育長、前田君。
教育長 東芝議員の御質問にお答えいたします。当然その有料賃貸住宅ができるのを見据えて、それに、人数の規模とかそういうものもありますけれども、それに合わせていく方向で進めるべきではないかと思ってございます。
議長 11番、東芝君。
11番議員 新たな変化が起こりました。今日の教育長の答弁を踏まえて、具体的な新たな建設に向けて動いていただきたいというふうに思います。」
もちろん、3月会議の答弁が、第3番目のこども園を建てるということが確定した最終結論にまでは至っていないが、地域優良賃貸住宅の建設との関係で、第3こども園の建設について教育長は「それに合わせていく方向で進めるべきではないかと思ってございます。」と答弁しているので、方向性は明確になっている。
普通であれば、議会でもこういう答弁になったので次のように考えるという説明があるべきだろう。しかし、そのような答弁にはならなかった。
町長の次の考え方が、議会の答弁と合っているのかどうか。問われるのはここにある。
三谷保育園か「佐野保育園で言うたら佐野保育園で送迎のために駐車場を確保しておりますけども、あそこの一部を園舎をちょっと増築するなりして、送迎の車とか先生たちの車をどこか別なところに確保するとか、いろんなやり方がありますので、第3の保育園という形で決定してやってるわけではなくて、今の子どもたちの増えてる状況を鑑みながら何とかせな。」
少なくとも3月会議では、今のこども園の駐車場などへの「増設」などという観点は全く出ていなかった。そもそも議員は、大規模園の問題をどうやって解決するのかという観点で第3こども園の話を提案してきた経緯がある。現状のこども園の増設で対応するというのは、複数の議員が重ねて質問してきたものとは異質な対応になる。
3月会議の答弁以後、教育行政は新しいこども園建設で検討に入って動いてきた。しかしその動きを紹介しないまま、議会に出ていなかった観点で住民の質問に答えている。
議会答弁は公式な行政の見解ということであり、議員は前向きな答弁をどう引き出すのかに心血を注ぎ、いわばそれだけを拠り所にし、質問を組み立てる。明確な答弁が出ればそれに従って行政施策の変化が起こる。これはどの議会でも同じだろう。
しかし、議会答弁とはまったく違った視点で町長が語るということになると、議会答弁とは一体何なのかが問われ始める。東芝議員が、議会だよりにまとめたことは、町当局側のチェックも入っているのに、記事が事実と違うことになりかねない。
笠田団地の建替については懸念が残った。この件は次のように答弁した。
「その上で笠田団地の話をします。笠田団地が募集停止しているのは、建て替えることも考えないといけないからです。入居者にこだわると建て替えが進みません。住んでる方の権利が強いです。国とのやり取りの中でもそうですが、新しくなったところに入ってもらうには経費がかかりますので、家賃が上がります。家賃が上がると建て直さないでくれという声もあります。今後どのようにしていくかを方針として作ろうとしています」
これは議会で明らかにされた町の方針と考え方は同じだった。しかし、これに対して、議会で東芝議員は、「団地の住民には募集停止していることも知らされていない状態なので、まずは住民に現在の方針を説明して意見を聞くべきではないか」と提案した。この提案に対して担当課長は「説明に行く」とは答えなかった。
この事実関係からすれば、町長が今日語ったことは、間違ってはいない。しかし、現在のやり方は、今住んでいる住民の方々を「主人公」としている態度なのだろうか。
「妙寺団地は6号棟まで建てる予定だったものが、人口減少とともに6号棟はいらないことになり、5号棟で終わることになりました。これは当時の計画では6号棟まであったけど、必要がない状態になっているのが現状です。笠田団地においても一緒で、別のところに建てるのか、その場所に建て替えるのか含めて、解体しようとは思ってませんが、どのような形で対応していくことが必要かを考えないといけません。
これも大きな問題ですが、妙寺団地は元々平屋でしたが、高層階になったが故に住民のコミュニティが壊れている部分があります。今までおーいって言ったら聞こえた場所であったものが、1階と4階とかになったので、人の関係性が随分変わってしまい、引きこもり状態になっている方もいると民生の方から聞きます。
どういう建て方が良いのか、どのようなやり方が良いのか、人口減少に対してどういう方策を持つのかが重要です。
人口が減少していく社会で進んで来たことはないんで、これから先人口が減っていくことに対して、我々行政としてはどのような対応をしていくことが正しいのかっていう正解はないんですけども、想像しながらどうやっていくのかっていうことが大事かなっていう風に今思ってますので、従来と同じことをやろうとする考えは今のところはもう持てなくなってしまってます。」
住民は、町長の町営住宅に関する答弁に対してさらに次のように質問した。
「お願いしたのはやはり若い世代が町住宅やったら、今町長言われた、大東建託さんはやはり6万、7万の家賃が毎月いると思うんです。それはそれでいいんですけど、やはりどうしてもそちらに行けない方々、そのための町営住宅だと思ってますので、それに対して考えながら入ってきていただいてるっていうこと、活性化になっていくと思うんです。このまま高齢化を待つんじゃなしっていうのを、その点ちょっとよろしくお願いします。」
町長は、この問いに対して若い世代を入れる優良賃貸住宅の建設に触れてから、団地については次のように語った。
「建て直すとなったとき、現地に建て直すとなったとき、今住んでる人たちに一旦どこかによけてもらうという作業が絶対入ってくるわけで、その時に、もうこの歳やから引っ越しするの嫌やよって、実際妙寺でも今、ちょっとアプローチしたら、新しい五号線にうつってもらえたら、ここ全部除却して新たな展開でっていう話をしましたけど、いやいやって言う方もやっぱ中にはいらっしゃるんです。だから、住んでる方やっぱり最優先考えていかあかんので、強制的によけてくれっていうわけにはいきませんので、その辺はしっかりと住んでる方とも話をせんねんし、また、民生委員の方、また、自治区の役員の方とみんなと住んでる方も含めて、ご意見聞きながらやらなあかんと思ってますので、役場で勝手に何かやるとかそんなこと全く思ってませんので、あくまで一緒に考えたいと思ってますので、よろしくお願いします。」
と答え、今の町営住宅の活用を求めた問いには答えなかった。
町長の答弁は、住民の意向が建設上の課題であるという捉え方が読み取れる。しかし、「住んでる方やっぱり最優先考えていかあかん」と思っているのであれば、まずは団地の方々に意見を聞くためにアンケートなりを取って、計画を立てるべきだと思う。
担当課長は、今意向調査をするのではなく、まず計画を立ててから話をしたいと議会で答弁しているので、現時点で住民の意向を聞くとはなっていない。しかし、これは順番が逆だと言いたい。
乗合タクシーについては、
「今回公共交通見直しさせて頂くのも、ある程度エリア決めたらドアツードアで行けるような形にはなるんですけども、そういう風にしないと子どもさんたちが学校に行か、例えば新城の子とかまだバスあるんですけども、バスの無い所の山の子っていうのは一体どうやって学校行くねんっていう話になったら、親の送迎が無かったら行けないっていうことになりますし、そういったことも改善をしていかなあかんので、それも含めて妙寺駅笠田駅に関しては、ちょっと時間かかるんですけども、サボってるわけではなくて、今一生懸命考えてますんで、ちょっとだけお待ちください。」
と語った。ドアツードアという説明は、今日配られた資料にもあったが、議会では「ほぼドアツードアというものになりますが、ドアルードアではない」と当局は語っているので、ニュアンスが違う。
行政懇談会でのやり取りを、今回はまだ2回しか見聞きしていないが、2回参加した限りにおいては、議会でのやり取りを踏まえた行政懇談会にはなっていないという感じを受けた。行政懇談会における説明とは一体何なんだろうという疑問が残った。









ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません