公務員は全体の奉仕者
ようやく過ごしやすい日々になって来た。しかしまだ半袖がちょうどいい。事務所の外に見える景色も、さだまさしさんが、「秋桜」で歌ったような「小春日和」に見えてきた。
ビラとタスキの件で、情報を待って手を入れた。3種類のビラを作成中なので、1つのビラを直し、あとはコピー&ペーストで置き換えていく。こうしないとタイピングミスに繋がる。
午後は日曜版の配達のために役場に行った。配達しながら、公務員の仕事に対するモチベーションについて考えた。自治体の長が、住民のためにと思って政策を推進していくとき、公務員は何を考えるべきなのかということだ。長の考え方を「粋」に感じて、職員も住民のためだと思って仕事をし、事業を推進するとモチベーションが高まるだろうか。
それは少し違う気がする。事業の意味をそれぞれの職員が、自分の頭で考え、その意味を深く把握する上で大切なのは、「公務員は全体の奉仕者」だということだろう。あくまでも全体の奉仕者として、住民のために働くという意思が、自覚した公務員のモチベーションを維持する上で重要になると思われる。また、そうすることが、行政の施策の充実に寄与することにもつながる。
何事にも矛盾は存在する。首長の命令に職員は従う義務があり、勤務時間中は職務専念義務がある。自分の意に反することであっても、公務員は仕事上、上司の命令に従って仕事をしている。公務員に許されるのは、その命令が道理から外れ、改善の余地がある場合は、全体の奉仕者の立場に立って、改善点を述べ、必要であれば意見を上に上げ、方針の変更を求めるということだ。また、実際にそうしないと、事業がうまく成功しないことも多い。命令だからと言って、事業を具体化していくと、矛盾や事業の破綻が目に見えてくる場合は、積極的に改善を求めないとおかしなことになる。
事業の遂行が、現実や各種法律や制度に適応しているかどうか。ここを見極めながら事業を遂行していかないと、事業は失敗する。自治体の政策方針の決定というものが、破綻せずよく練られたものであれば、事業もスムーズに具体化される。どのような場合でも、当初考えたこと以上に現実は複雑多義に渡るので、具体化する段階では、改善点や変更点は出てくる。それだけに、最初の事業方針の具体化が問われる。かなり精査をして事業の実施に入っていかないと、ほころびが大きくなって、事業は成功しなくなる。
こういう点をよく見極めて、各自治体は政策決定をする必要がある。ある自治体では、大都市に職員を置き、予算を組んで特定の懸案事項を推進すべく事業を実施したが、議会審議で不明瞭なお金の使い方が議会の追及で明らかになった結果、議会はその決算を不認定にした。これなどは、最初の政策決定の内容が、本当に必要性を満たしていたかどうかが問われる。長の判断で行った事業が、紆余曲折を経て破綻していくケースは多い。大統領制である長が、独断で判断した政策決定が、必要なチェックを経て具体化されず、そのまま議会への予算上程となった事業の中には、誤りを犯すケースがでてくる。
公務員とは何か、全体の奉仕者とは何かということと、行政の長の権限。これは深く考えるべき問題をはらんでいる。










