人民の人民による人民のための政治とは
震災後の政治に「不満」8割 朝日新聞世論調査
朝日新聞社が実施した郵送による世論調査では、東日本大震災後の政治の現状に不満を抱いている人が80%に達した。一方で原子力やエネルギー政策をめぐる国民投票や、首相公選制への賛成は7割に上った。停滞する政治にいらだち、自分の手で政治を前に進めたいという意識がのぞいた。
震災後の日本の政治にどの程度満足しているかを聞くと、「どちらかといえば不満」52%、「不満」28%で、「どちらかといえば満足」15%、「満足」1%だった。「不満」は無党派層で36%、20代で35%と高めだった。
震災復興と原発事故について民主党政権のこれまでの対応を「評価しない」という人は71%で「評価する」は25%にとどまった。民主支持層でも50%が「評価しない」だった。
野党の自民党の対応も「評価しない」は80%で「評価する」は16%。自民支持層の62%が「評価しない」だった。
いまの政治が「あなたの意思」をどの程度反映しているかを聞くと、「反映していない」が「まったく」25%、「あまり」59%。「反映している」は「ある程度」12%で「大いに」0%だった。
現在は憲法改正に限られている国民投票の対象を「広げたほうがよい」という人は73%で「その必要はない」22%を上回った。具体的に国民投票で原子力やエネルギーの政策の方向性を決めることに賛成は68%で反対は25%だった。無党派層では賛成71%、反対21%と差がやや開いた。
首相の選び方も「国民の投票で選ぶのがよい」が70%で、現在のように「国会議員の投票で選ぶのがよい」は23%にとどまった。
震災後に脱原発デモが相次いでいるのを受け、デモに政治を動かす力があると思うかも質問した。「ある」は44%で「ない」は50%だった。20代では「ある」が50%で「ない」の43%を上回った。
調査は11月上旬~12月中旬に実施。全国の有権者3千人が対象で回答率75%だった。(朝日新聞12月26日付けより)
朝日新聞の年末の世論調査では、「あなたの意思」を全く反映していないが25%、あまり反映していないが59%で合わせると84%になった。政治に国民の意思が反映していないと感じている人が大多数にのぼるということはどういうことだろう。
日本国憲法の前文には、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」と書かれている。
これは、リンカーンの演説にあった「人民の人民による人民のための政治」という言葉と同じ意味だ。
政治に国民の意思が反映していないということは、この憲法前文の原則が日本の政治に生かされていないことを意味している。
では、なぜ、この原則が生かされていないのだろうか。
「人民の人民による人民のための政治」ではないとすると、日本の政治は、誰によって、誰の力で、誰のために動いているのだろうか。
「日本国憲法の精神」という本を読んでいると、国民が政府の手をしばるために日本国憲法は作られたという話しの中で、企業には基本的な人権がない、法人というのは、人間でない企業を便宜的に擬人化して「法人」だとしているだけで、企業には投票権がないから政治に対して発言権はないというくだりがあった。企業による政治への発言権を認めると、それは国民主権に対する否定につながってしまう。
国民主権の発揮は、選挙と憲法改正の時の国民投票、請願権、あとは世論に訴えるということしかない。憲法には公務員の罷免について第15条で規定しているが、実際の問題としては、なかなかこれはむつかしい。選挙を通じて国民主権を発揮すること、請願権を通じて国民主権を行使すること──これらのことを最優先に、最大限に保障する国にならないと国民主権は発揮できない。
国民主権との関係で企業団体献金の問題を考える必要がある。
日本は、かなり制限があるとはいえ、企業・団体献金は禁止されていない。政治家個人に対する企業献金は許されなくなったが、政治団体に対して献金をおこなうことはいいとされている。このように変化してきたのは、企業献金が政治を歪めてきたからに他ならない。
企業献金によって政治が動くということは、企業マネーによって国民主権が犯されることを意味するのではないだろうか。
日本共産党は、日本の政治は大企業とアメリカによって動かされてきたと主張してきた。
日本経団連は、近年、非常に強く国政に対して発言するようになり、要求も露骨になっている。法人税の減税や消費税増税、社会保障の企業負担をゼロにせよという要求はその最たるものだ。
アメリカも日本に対する対日要求を露骨におこない、最近ではTPPによる関税障壁を取り払うことを求めている。沖縄の普天間基地の移転もその一つだ。
日本の政治が、大企業とアメリカの意向を受けて動いていることは、最近では目に見えはじめているのではないだろうか。
日本は、「大企業とアメリカの、大企業とアメリカによる、大企業とアメリカのための政治」になっているのではないだろうか。その結果として、「人民の人民による人民のための政治」が踏みにじられ、国民の意思が国政に反映していない政治が実現しているのではないだろうか。
国民主権がいかされる日本への転換──日本共産党は、この転換を求めている。










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