共産党という党名に込められたもの(2)

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昨日は、難しく書いた。
最近、雑誌「経済」5月号の「マルクスのすすめ」を読んだので、それに刺激を受けて、書きたいことを書いてしまった。
読んでくださった方が、理解しがたい場合は、ぼくの文章のせいですので、あしからず。
昨日の文章では、次のようなことを言いたかった。
資本主義は、人類が到達した最終の社会形態ではなく、人類はもっと先に、生産と消費のバランスを実現し、自然の循環ともかなりのレベルで調和を図れる方法に進む可能性がある。
一人一人の人間には生きる喜びがあり、人間と人間がコミュニケーションを強め、信頼しあえる条件は広がるんだということを日本共産党は信じている。
姜尚中さんは、「学問のススメ」で「政治は幸福の条件を整えるためにある」(この言葉が気に入っている)と語ったことがある。「幸福の条件を整える」ことを真っ直ぐに貫こうとしているのが日本共産党だと思う。
共産党に入党しても出世できない。しかし、人間が人間として純粋な気持ちをもち、人間同士の連帯を信じて生きるという点で、日本共産党という存在は大きい。
ぼくはそう思っている。
ピュアな気持ちをもって生きている人は多い。
日本共産党という政党もそういう人間集団の一つだと思う。
社会の矛盾や不合理に対して、憤りをもちそれを変えたいと願って右往左往することには、意味がある。人類の歴史は、そういう人々の不毛と見えるような努力の結果、自由と民主主義を広げていった。
ベトナム戦争をアメリカにやめさせた力の一つは、反戦平和を求めるアメリカや日本の運動だった。
日本共産党は、戦前、政党としてはただ1人、文字どおり命をかけて侵略戦争に反対し、「この戦争は日本の敗北をもって終わる」ということを確信していた。日本の戦争が、アジアを開放すると言うものではなく、ドイツとイタリアと日本による侵略戦争であることを見抜いた政党だった。
戦前、日本共産党は、絶対主義的天皇制の打倒、侵略戦争反対、主権在民、男女平等、婦人の参政権、18歳選挙権、農民に土地を与えよという要求を掲げていた。このような要求を掲げた政党だったからこそ、治安維持法という法律で、国体を変革する国賊として「死刑もしくは無期懲役」という思い刑罰を受ける対象となっていた。
多くの共産党員が逮捕・投獄された。小林多喜二のように拷問のすえ殺された人々もあった。
日本共産党への入党は、死を覚悟して党活動をおこなうということを意味した。
弾圧に屈して、党を裏切りスパイとなった人物もいたが、それでも日本共産党は、何度も党を再建し国民に党の主張を宣伝した。
「なぜ、日本人は戦争に反対しなかったの?」
この問いに対し、日本共産党は、「日本共産党は戦争に反対して闘ったんだよ」ということができる。
戦後、党が再建されたとき、多くの人々が日本共産党に入党した。
原爆詩人であった峠三吉もその1人だった。
「二十四の瞳」を書いた壺井栄の夫で詩人だった壺井繁治も共産党員だった。
日本共産党が党名を変えないのは、人類の明るい未来を確信し、党名に未来の目標を書き込んでいるということ、日本共産党の85年を超える歴史は、反戦・平和・国民主権を貫いた歴史がきざまれていることに、その理由があるだろう。
戦前は、自由も民主主義もなかった。自由も民主主義もない時代の中で、多くの作家は書きたいことが書けなかった。時代小説の世界に入り込んで現在を描かなかった作家や戦後、ほとんど筆を折ってしまった推理小説家など、多くの人々が検閲体制の中で苦しんでいた。
戦争が終わり日本国憲法ができ、日本共産党が主張していたことの多くは、歴史の大転換の中で実現した。
宮本顕治の妻であった宮本百合子は、小説「播州平野」で8月15日の玉音放送を聞きいた時の主人公の気持ちを次のように記した。

大気は八月の真昼の炎暑に燃え、耕地も山も無限の熱気につつまれている。が、村じゅうは、物音一つしなかった。寂(せき)として声なし。全身に、ひろ子はそれを感じた。八月十五日の正午から午後一時まで、日本じゅうが、森閑として声をのんでいる間に、歴史はその巨大な頁を音なくめくったのであった。


宮本百合子のこの時代認識にはおどろかされる。作家の中で8月15日の玉音放送をこのように受けとめた人がどれだけいただろうか。玉音放送を聞き、「歴史はその巨大な頁を音なくめくったのであった」というこの文章は、日本の文学の歴史の中に輝く一文だと思う。
時代の根底を流れる本流を見極めたい。
日本共産党は、そういう目をもってきた。
小泉構造改革を最初から批判した政党。
新自由主義を正面から批判している政党。
ベトナム戦争の時代に、アメリカの中国やソ連への接近とベトナムへの北爆は、各個撃破政策だと看破した政党。
物事の本質を見抜く力をもった政党の、科学の目をぼくも身につけたいと思っている。


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Posted by 東芝 弘明