「気持ちが悪い」

雑感

東電の事故のことをテレビで見た。新潟の柏崎刈羽原発の再稼働を求める知事との交渉だった。
マスメディアは、コメントをほとんど挿まないでこのやり取りを報道した。
「気持ちが悪い」
テレビのこちら側の感覚では、福島原発事故を起こし、ずさんな対応を繰り返している中で、どうして原発の再稼働を申請できるのか。テレビを見ていると東電の社長の脳みそはどうなっているのだろうか、と思ってしまう。一方で事故が悪化しているのに、どうして、「再稼働、よろしくお願いします」というシーンになるのだろう。

これが、小説の世界ならこんな風には描けない。あんな事故が起こり、事態が悪化しているにもかかわらず、事故を引き起こした会社が、事故を解決するメドもないのに、別の場所で再稼働を申請したら「リアリティーがない」と読者から批判を受けるだろう。

最近、リアリティーのない現実が進行している。
首相が、JOC総会で、オリンピック招致のために「汚染水は完全にブロックされています」という説明を行った。ネットを見ていると、首相への批判として「嘘も方便」ではいけない。という批判があった。「嘘つきだ」という批判も出ているのに、一方では、これが当たり前のようにスルーされている。

妄想が浮かんできた。
水戸黄門の番組の終盤、チャンバラになった。安心してみていると、水戸黄門が相手の刀で殺された。
助さんと角さんは、倒れたご老公を抱き起こさず、平然と優雅に立ち回って、相手を倒していく。
たまりかねた町人が助さんに駆け寄った。
「助さん、肛門様が頭を割られて死んじゃいました」
「それが何か、問題でも?」
助さんは、にっこり笑った。

現実の異常な事態が、フィクションを超えている。目の前で進んでいる異常な事態は、上に書いた黄門さんのドラマのようにリアリティーがない。理論的に破綻している事態が、何重にも重なっていく。

わがかつらぎ町でも、こういう傾向は、伝染している。重大な事態を身ながらも平気でスルーする。
「それが何か、問題でも?」
うーん、やっぱり「気持ちが悪い」


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雑感

Posted by 東芝 弘明