新成人のみなさんへ。
10時から行われた成人式に出席した。かつらぎ町の今年の成人は219人。みんなおとなしい感じだった。
新成人が生まれたのは1988年と1989年。昭和天皇が亡くなり平成が始まった年が1989年だった。小渕さんが平成という元号を色紙に書き掲げたニュースが記憶に残っているが、今日のニュースでもこの時の映像が流れていた。
ソ連ではペレストロイカが始まっていたが、それは歪んだ括弧付きの社会主義国が崩壊する前夜であり、東西の冷戦構造が破たんする始まりだった。
新成人は、バブルの絶頂期に誕生し、3歳の頃そのバブルが崩壊して、失われた10年という90年代に少年少女時代を過ごし、小泉内閣になって中学校、高校時代を過ごしてきた。
いま、新自由主義が全世界で破たんし、市場原理主義という病気が変換の兆しを見せつつある。金融危機がおこった。新成人は、先行きが見えない中で成人を迎え、非常に厳しい時代の中に投げだされることとなった。
嘘と誤魔化しの構造改革をあおってきた責任を政治家は語る必要があると思うが、こういうことに対し反省の言葉を口にする人は誰もいなかった。というか時代の先を語る発言さえなかった。
大人社会が、今の日本をつくってきた。その責任の多くは、政治にある。自民党と公明党は政権を担い、アメリカと財界の要求に従って政治を運営し日本の社会システムを壊して現在と将来を不安に陥れた。
このような日本境を再建する仕事が目の前に立ち現れている。北欧のような福祉国家への転換を図り、社会保障と雇用の安定を生み出していかないと日本社会の未来はない。そのためには、アメリカと財界のいいなりになるのではなく、経済をコントロールし、アメリカとは対等平等になって日本の社会を再構築する必要がある。新しい社会をつくるのは、大人と若者だろう。
新成人に期待したいことがある。
社会は人間によってくつられてきた。この社会にコミットメントし、行動もして歪んだ社会を作りかえる運動を行ってほしい。そのためには、政治や経済、社会、文化、地域、教育などさまざまな分野に対して興味と関心をもって、関わってほしいと思う。
考えながら動いていけば、人間の認識は次第に豊かになる。
考えながら動き、コミュニケーション力を高めて、人間が人間同士と力を合わせることの喜びを知ってほしい。
動かなければ、何も変わらないよ。
君たちが動けば、歴史は変わる。ぼくたち大人も動くから力を合わせよう。
これが、君たちに送るメッセージだ。
