超硬いかに玉

出来事

京奈和自動車道を車で走っていると、景色が後ろに飛んでいく。少し高台を走る車の下に家々の屋根が見えたりする。
走る。
疾走という感じに近い。車が滑っていくようだ。
今まで30分以上かかっていた道を、10分そこらで通過して、高い位置にある道から降りていく。
そう。
時間にしたら10分かそこらの短縮なのに、この時間の短縮が移動を楽しいものにする。京奈和自動車道に登って、この道を走り、この道を降りるまで車が停止することはない。
それが、気持ちいい感じを与えてくれる。

午前中に3人の方に会って、いろいろな話を聞かせていただいた。人の話を聞いていると思いが胸に染み込んでくる。
人々の気持ちをくみ取る。
受けとめるということ。

12時30分を過ぎてから、3件目の家を後にして、自宅に戻ったのが12時50分の少し前。
自宅には、妻の車がなくて、食卓の上にメモ書きがあった。
「お昼は適当に食べてください」

もう一度車に戻ってエンジンをかけた。
中華料理が食べたくなって、いつも行くお店の前の信号に出た。眺めてみたが駐車場に車を止められそうにない。お客さんが多いので違うお店に行くことにした。
こちらのお店の駐車場はすかすかだった。半開きのドアを引いて中に入る。店内にはお客さんが2組いた。
4人掛けの丸テーブルに座った。木目のある木のテーブルだった。注文の料理が出てくるまで、Facebookの記事を読んでいた。
「お待たせしました」
目の前に出てきた料理は、かに玉と酢豚とマカロニサラダ、キャベツ、卵スープ、柴漬けだった。
ふわふわであるはずのかに玉が、硬いスポンジケーキのように三角に切り取られていた。
「ウソだろ」
フォークなら間違いなしにザックリと突き刺さるだけの硬さがあった。
かに玉を箸で割るのに苦労する。
卵はボロボロだった。味。もちろんまずい。混んでいてもあっちにしとけばよかった。
お客さんが少ないのには理由がある。
「もう2度と来るもんか」

これが、今日のお昼の出来事だった。


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出来事

Posted by 東芝 弘明