激しい雨に思うこと

雑感

降ってきたと思ったら、雨足が激しくなった。洗濯物を妻と娘とぼくの3人で急いで取り込んだ。その後、事務所に行くとさらに大粒の雨が激しく地面をたたき始めた。
子どもの頃、雨に当たると髪の毛が抜けるといった時期があった。どこかの国の核実験で「死の灰」が空中に拡散し、日本にも飛んできているという話があって、雨の話と結びついたようだ。
「死の灰」とは一体何だろう。困ったときのウキペディア。少し訪問してみよう。
死の灰の正式名は放射性降下物(フォールアウト)だ。
ウキペディアはこう書いている。

核爆発は、火球の中のすべての物質を気化・プラズマ化させる。核爆発が地表に近かった場合には火球に触れた大地も同様になり、これが残留電離放射線に結合して降下物を生む。その残留電離放射線の発生源は以下の通りである。
核分裂生成物(fission product)
核分裂生成物は、中程度の質量数を持つ核種からなり、重いウラン235やプルトニウム239の原子核が核分裂反応で分裂したときに生じる。核分裂では300を越える種類の核分裂生成物が生じる。これらの多くは、それぞれ大きく異なる半減期を持った放射性同位体である。半減期が非常に短い(1秒以下)核種もあるが、数ヶ月から数年間におよぶ半減期を持つ核種もある。これら核種の崩壊モードは主にベータ崩壊とガンマ崩壊である。
核爆発では核出力1キロトンにつきおよそ60gの核分裂生成物が生じる。爆発から1分後のこれら核分裂生成物の推定放射能は、1.1×1021Bqであり、子孫核種と平衡状態にあるラジウム3万トン分の放射能と等しい。半減期の短い核種ほど、無害な核種に落ち着くまでの時間は短いが、短時間に多量の放射線を放つため単位量あたりの危険度は高い。
核分裂に寄与しなかった核物質
核兵器は核分裂性物質をすべて分裂させるわけではない。連鎖反応によって爆発的に生じるエネルギーは、反応中心の周辺にある核分裂性物質に連鎖反応が伝播する以前にこれらを吹き飛ばしてしまうからである。このため多くのウランやプルトニウムは核分裂せずに爆発で分散される。このような核分裂に寄与しなかった核物質は、主にアルファ粒子を放射して崩壊する。アルファ粒子は空気中では数センチメートルから数メートル程度の飛程しかなく、物質を通り抜ける力が小さいため、その発生源が環境中にある場合の危険度は低い。しかしこれらが生命体の中に取り込まれると、アルファ粒子が体内組織を直撃するために重篤な症状を招くことになる。これを内部被曝という。なお、ウラン・プルトニウムは、放射毒性はあるものの、砒素や青酸化合物といった代表的な毒物と比較して生化学的毒性はそれほど強くないといわれている。これらは空気中の酸素と速やかに反応し、粉末状になって周囲を汚染する。この粉末がひとたび気流に乗れば、何千キロメートル先までも拡散しつつ汚染範囲を広げる。核分裂生成物と異なり、これらの半減期は非常に長く、また最終的に放射線を放たない鉛に落ち着くまでには数千億年を超える期間を要する。その期間の長さは地球の歴史(約46億年)をも凌駕しており、人類の感覚でいうと「永遠」である。
中性子による放射化
原子核が中性子束に曝露され、中性子を捕獲して中性子過剰核となった場合、放射能を持つ核種に転換される。これを放射化という。それは安定同位体になるまで様々な放射性崩壊を繰り返する。初期の核反応の放射線の一部として放射された中性子は、核兵器を構成する物質の残余を放射化する。その組成と中性子線バーストからの距離にもよるが、核爆発周辺の環境中に存在する物質の原子(例えば土壌、大気、水)が放射化される。例えば、爆心地周辺の狭い地域は、地中の鉱物が初期の中性子線に曝露することにより放射化する。これは、地中のナトリウム、マンガン、アルミニウム、珪素が中性子を捕獲することに起因する。影響される範囲が狭いが、核爆発直後に爆心地に外部から入った者は、放射化された物質から被曝する。

核分裂反応は、エネルギー効率からいえば、かなり悪い。分裂しなかったウラン235や分裂によって生成したプルトニウムがそのまま核燃料棒の中に残る。メルトダウンが起こるということは、核燃料棒が溶け出して、ジルコニウム被膜を溶かし、下に落下するということだから、空だき状態になると大気中にも「死の灰」が拡散することになる。福島原発が、どのような状態になっているのか、詳しい報告がないからよく分からない。
メルトダウンが、起こったらどのような事態が引き起こされるのかを国民の前に明らかにすべきだろう。
核分裂反応によって、「死の灰」が使用済み核燃料棒の中に大量に生成される。メルトダウンが起これば、「死の灰」がどうなっているのか、知りたいところだ。
激しく強い雨を見て、梅雨が明けるのを予感しつつ、放射能のことを考えなければならないのは、悲しいことだ。東京電力や関西電力の株主総会では、この事故という事態の最中でも、原子力発電の推進を決議する。反対意見は少数にしか過ぎない。
「我亡き後に洪水は来たれ。それが全ての資本家のスローガンである」
また、この言葉を思い出した。
ひとたび原子炉が、福島原発のような事故を起こしたら、人類は原発と共存できない。人間の技術は、現在の水準では、核分裂反応をコントロールできない。原発については「トイレのないマンション」にたとえられてきた。1000人が住むマンションにトイレがなかったら、そのマンションはどうなるだろう。うんちやおしっこが毎日溜まっていったら、そのマンションは臭くて住めなくなってくる。
「トイレのないマンション」と原発を呼んだのは、使用済み核燃料棒の処理方法が全くないからだ。使用済み核燃料の処理方法がないと言われてもぴんとこない人は、1000人のマンションで、1年間うんことおしっこをため込んでいくことを考えてほしい。
バキュームカーも来てくれないで、ひたすらマンションの中にため込む。たとえばマンションの地下駐車場にうんちとおしっこのドラム缶をどんどん並べていくことを考えてほしい。もちろん、ハエなどが異常発生することは避けられない。1日150gのうんちをしたとして、1000人なので150kgになる。365日をかけると54.75トンになる。ここにおしっこが加わる。おしっこは、1人1日1.5リットル。1000人なので1日1500リットル。水1リットルは1kgなので水と同じ重さだと仮定すると、1500kg、365日をかけると547.5トンになる。うんちとおしっこの合計は、602.25トンになる。10トントラックが60台必要な量だ。マンションの地下駐車場にトラック60台とはすごい光景になる。200リットルのドラム缶で計算すれば、3011個のドラム缶になる。2年間で6022個のドラム缶にうんちとおしっこが溜まっていく。
それでもうんちとおしっこは、人を殺さない。ただし、ものすごく臭く、不衛生である。おそらく次第に病気なども発生してくるだろう。
かたや放射性廃棄物は、放射線をまわりに出しながら高熱をもって存在している。原発内に保管するためには、巨大なプールで冷やすしかない。あきらかにうんちとおしっこよりも手強い。管理に失敗すれば、ものすごい環境汚染が起こる。
このような状態なのに、日本は、原子力エネルギーはCO2を排出しないクリーンなエネルギーだと宣伝していた。
政府と電力会社は、黒を白と言いくるめて、しかも多くの人がこの言葉にだまされていた。
しかし、もう騙されてはいけない。
使用済み核燃料の話を十分承知の上で、クリーンだと言ってきた政府と電力会社は、平常時から国民を騙してきたことになる。国民を騙し続けてきた政府と会社が、原発に頼らなければ、日本のエネルギーは確保できないと言っても、この言葉をまずは疑ってかかるべきではないだろうか。
あれだけの事故が発生しても、原発からの撤退を決議しない株主というのは、果たして人間の心を持っているのだろうか。そう考えてもいいのではないだろうか。
人の命よりも自分たちや会社のもうけの方が大切だ。原発推進の決議は、言外にそう言っているに等しい。
関西電力は、電気を起こすことによって、大きな社会的貢献をしてきたのだから、今度はクリーンな再生可能エネルギーによる電気の生産で、社会に貢献してほしい。電力会社ほど、地域を丸ごと独占しているところはない。会社は、法律によって確実に利益が上がるようになっている。
国策によって、エネルギーの転換を図るのだから、関西電力は、身構えて原子力発電にしがみつく必要はないだろう。
国民の安全を守るために、エネルギーの転換のためにこそ汗をかいてほしい。
eo光にお世話になっているユーザーとして、心底そう思う。

雑感

Posted by 東芝 弘明