ふるさと教育とは何か

雑感

議会の一般質問議事録は、議会のホームページでも公開されているが、公開時期が遅くなるのと、全議員の質問のPDFがそのまま一つのファイルとして公開されているので、検索がかなり面倒だ。インデックスができていないので記事にアクセスしにくくなっている。

こういう形で自分のブログに載せた方が読んでもらいやすい。速記録を読んでいると点の打ち方や漢字変換上のミスが若干あった。支那事変は品事変になっていたし、若干誤変換もあった。それを少し直した。話し言葉が出てくるので、どこに出しても恥ずかしくない活字ということにはならない。もう少し話し言葉ではないような一般質問ができたらいいなと思う。

今回の質問を通じて、自分の父親の軍歴を調べたいと思い資料を取り寄せた。質問を通じてこういうことがおこる。一つの探求が次の探求につながる。支那事変に参加したという記録があったので、支那事変とはどこからどこまでの期間の戦闘を指すのかもう少し調べて見たくなった。「中国人を何人殺したか分からない」という父の言葉と南京事件とが絡んでいるのかどうか。これも調べてみたいと思い始めている。「関わっていないように」という気持ちがある。

新しい町長がふるさと教育をしたいと語っている。ふるさと教育というのは、郷土愛を育む教育ということだと思うが、自分たちのふるさとを探求していく中で、主体的に何を学ぶのか。ここにふるさと教育の意味があるのではないかと思い始めている。教え込むのではなしに歴史を探究する中で自分の手で学ぶ。ここにふるさと教育の一つの姿がある。

731部隊のペスト菌研究のためにネズミが大量に必要だった。当時の日本は、そのために埼玉県のある地域にネズミの飼育を求め、仲介業者を経由して大量にネズミが海外を渡っていた。飼育していたネズミ産業の農家は、自分たちが飼育したネズミが一体何に使われているかを知らなかった。高校生たちは、先生と一緒にネズミに飼育を調べはじめ、この産業が731部隊のペスト菌研究に使われていたことを突き止め、その事実を示しながら農家に対してインタビューを行い、731部隊とネズミの関係を解き明かしていった。そのことが1冊の本になっている。質問の調査の過程でこのことを知った。本も購入した。

高校生たちの調査研究は、まさに「ふるさと教育」の一つだった。この取り組みを通じて高校生たちは成長し、自分の頭で物事を深く考える人間に育っていった。この調査研究に関わった人々がその後どんな人生を歩んだのか。知ってみたい気持ちになっている。

さらに質問準備の中で知った兵事係にまつわる本も読んでみたいと思っている。購入したDVDは視聴した。教育とは、人間を知るために行うもの。負の遺産であっても輝かしいものであっても、その時代の中で生きた人間の姿をとらえ、そのことを通じて考えることが「ふるさと」を立体的に知る力になる。

そうだ。自分が体験してきた30年間、議員として活動してきた歴史そのものがふるさと教育にもつながっている。かつらぎ町における学校給食の運動史、同和対策事業、学校の変遷と統廃合、産業の変化、地域の変容。こういうものはすべて本当は赤裸々に記録され語り継がれるべきものだろう。

行政の公式文書では、こういう歴史についても生き生きとした記述にはならない。生きた現代史を掘り起こすためには、議会の議事録を参考にして、そこから事実を探求すべきだろう。議事録の中には、政治に関わっている人間の生きた肉声がある。

雑感

Posted by 東芝 弘明