都にはならない「大阪都構想」

「大阪都構想」。出直しの住民投票が行われているが、戦い方の基本は5年前と基本的には変わっていない。ぼくは、5年前の5月18日、住民投票が反対側の勝利に終わった次の日に書いた
ウソとのたたかいに勝つために
という文書の主張は今も生きている。今回の投票でも大阪都は実現しない。実現するのは大阪市の廃止と4つの特別区の設置だ。もちろん出直しなので5年前5つにすると言っていた特別区は4つになったし、手直しも行われているので数値は変わっている。しかし、固定資産税や法人住民税が府に奪われるのも同じ。今回は、奪った財源を府が特別区に交付すると言っている。しかし、財源移譲の拠り所の一つは大阪メトロからの収入と言うことになっている。この収入の試算には根拠がないと批判されている。

朝日新聞が、権限がどれだけ奪われるかと言うことを図で示している(朝日新聞10月24日付け 「大阪都構想、東京と何が違う? 素朴な疑問を徹底解説」 上の図)。この図だけでも新しい住民に密着した特別区が、一人前の自治体でないことはよく分かる。財源と権限を奪われた自治体の施策が低下するのは、「やってみなくちゃ分からない」のではなくて、「やってみない状態でもよく分かる」ということだ。朝日新聞の図では、「成長戦略」の権限が特別区から失われることを示している。都市の都市計画の財源(固定資産税と都市計画税)と権限が奪われ、府に移管されるので、新しい特別区は、保育・子育て支援、小中学校を中心としたことしか出来なくなってくる。政令指定都市である大阪市がもっていた自治権が極端に縮小するということだ。
この批判をかわすために4つの特別区に奪った財源の8割を交付するとしているが、今後どれだけを府が特別区に交付するかは協議を行うことが書き込まれている。権限を失うのにお金だけ渡すというのがどこまで守られるのか。特別区がもっている権限に応じて交付する形に変化するのは目に見えている。
こういうことになるので、自治体の施策が後退するのは明らかだと反対側は言っている。しかも、施策を維持するために縮小される施設の廃止ということまで計画には織り込まれている。
平成の市町村合併のときに大規模合併を行ったら、周辺部が疲弊すると指摘されていていた。財源が少なくなるので合併した周辺部の自治体が、実施していたことができなくなって地域が衰退するという指摘だった。これは現実のものとなった。賛成側は、発展すると言っていた。これと同じようなごまかしの議論が大阪市廃止、4つの特別区に分割という住民投票の中で行われている。
維新は、反対側の主張はウソだと盛んに言っている。反対側も維新の言っていることは事実と違うといっている。どっちがほんとなの?と迷っている人も多いだろう。反対側は、賛成側の主張に疑問がある方は、現状を存続させるために反対と書いてほしいと訴えている。ウソとのたたかいは、5年経っても続けられている。今回投票用紙には、「大阪市を廃止し特別区を設置」ことが書かれている。前回は、大阪市を廃止するとは書かれていなかった。投票用紙にどう表記するか。ここにもたたかいがあった。維新は前回と同じように書きたかったことだろう。5年前、橋下さんは「大阪市はなくなりません」と豪語して賛成を訴えていた。今回はこのようなウソをつくことはできなくなった。
しかし、ウソとのたたかいは、今回も続いている。ウソをつき続けるのは、本当のことを語ったら、反対が上回るからに他ならない。









ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません