金木犀
お昼ご飯を食べたあと、無償に眠たくなったので車の中で少し眠った。気温のコントロールがうまく行かない。エンジンを切って寝ていると、じんわり暑くなってくる。少しエンジンをかけてクーラーを入れ、冷えてきたらまたエンジンを切った。
眠ったのか眠ってないのか、自分でもよく分からないが、睡魔が通り過ぎたので、事務所に携帯を取りに行って役場に行った。
金木犀の花が終わりかかっている。
「この花が好きなんです」
多可町からやってきた議会広報委員会の女性議員が、役場の前の金木犀を見ながら言った。彼女が広報委員長だった。
「私の自宅にも金木犀を植えています。枯れたので植え替えたりして」
「匂いによって花が咲いているのに気が付きますよね。金木犀はかつらぎ町の木です」
「ああ、そうなんですか。多可町の金木犀はもう咲き終わりました。こっちの方が温かいんですね」
彼女は愛おしいような目で金木犀を眺めていた。
金木犀の花言葉には、謙虚、謙遜というのや真実、真実の愛というものがある。小さい花を付けることが謙虚につながり、匂いに気が付く人が多いので真実の愛という花言葉が付いたようだ。かつらぎ町がこの木を町の木にした理由はよく分からないが、毎年、役場の前にある木によって、金木犀の匂いに心が動かされる。季節の移り変わりを伝えてくれる謙虚な木だ。
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