一旦不停止で1日が終わった
午後5時から岩出市で市来りえさんの市議選挙・ご苦労さん会があるので、朝5時から3時間、日刊紙と日曜版を配達した。そのあと、自宅に戻って休憩してから、午前10時から始まる憲法カフェに行く準備をした。
会場の総合文化会館には15分前に到着した。2階の喫茶・樹楽に入ると、テーブルを並べ替える作業が始まっていた。ぼくは少し手伝ってからその場を離れ、向かい側にある図書館に入って、辻村深月さんの本のコーナーを探した。この人の本は、図書館の左手に伸びる小説の本棚の棚を直角に曲がった棚にあった。図書館の本を借りたことは少ない。読みたい本がないと買ってしまう。有名な作家の本でもそろっていないものが多い。古くなったり傷んだりすると廃棄されてしまうのだと思う。やむを得ず廃棄になった本たちは、補充されるのかどうか。一度聞いてみたくなった。
かつらぎ町の図書館は、ブックフェアみたいなものはやっていない。そういうことをするスペースに乏しいのかも知れないが、図書館の職員が、季節ごとにミニフェアを組んで、関係する本を並べるだけで楽しさが増すだろう。個人の知識なんて、たかが知れている。世の中は、個人の知らないことで溢れかえっている。その知らないことに虹色の橋をかけるのも図書館の「たくらみ」としてあっていいだろう。
並んでいる本に何があるのか。買ったはずの『ツナグ』が自分の手元に見当たらないので、この本があるか確認すると、2冊表紙の違う『ツナグ』があった。図書館で借りて読むのもいいなと思いながら、図書館を出た。
出ると、椅子の上に資料を並べ、それをセットしている最中だった。この列に加わってお手伝いをしてから、喫茶店の中に入った。
憲法カフェは、平和の問題を軸に話が展開した。次の憲法カフェは、個人の尊厳の尊重と基本的人権、ジェンダーなどのテーマにしてほしいなと思いながら参加した。参加費1000円でコーヒー(飲み物)がつき、お昼ご飯をいくつかのメニューから選べるというものだった。憲法カフェはカフェでするのがいいとも思う。落ちついた雰囲気の中で、ゆったりとした語り合いが行われるのが楽しい。
午後1時前に事務所に行って、会議用の資料を印刷した。司会者が、この会議でどんな議論をしてほしいのかを短く語ることが、効果を発揮することがある。今回はこれを試みた。話の焦点が定まると議論は面白い。今回の会議では、発言者からの提案を受け止めて、方針が強化された。
会議が終わった後、岩出に向かった。iPhoneに目的地の住所を入力して、カーナビを作動して車を走らせる。5時という時間設定の会場に3分前に到着した。お店の引き戸を開けるとMさんがこちらを向いた。笑顔がいい。
宴会は5時15分頃から始まった。市来さんが来るのは7時30分だというアナウンスが届いていた。それまで2時間半もあると料理も話も何もかもが終わってしまう。それでも会は5時過ぎから始まった。主役の市来議員が到着したのは、午後7時15分前だった。予定よりも早くついたが、お鍋は第1回目が終了した状態だった。
市来さんは、自分の飲み代と食事のお金を払った。日本共産党関係のこういう催しは、完全ワリカン制。会費の中から儲けを生み出すなんていう、姑息な自民党的宴会はしない。自民党よりも自民党的になってしまった維新は、京都で2万円の会費でペットボトルのお茶かお水1本というものもあった。
目的が資金集め、あわよくば裏金も、ということはしない。みんな対等平等。この一例をとっても未来に開かれた政党は、日本共産党だということが分かる。
若い男の子と話をする機会があった。聞いてくれたので、聞かれるまま話をした。
「科学的社会主義は面白いよ。哲学と経済学を基礎に、この理論を学べば未来を見とおせるよ」といいながら、議員活動の中で発展の方向がリアルに見えた例を2つ紹介した。
年配の方2人を送ってほしいというリクエストに答えて会場を後にしたのは、午後9時45分ぐらいだった。2人目を自宅近くで下ろしてから広い道に出ようとして車を走らせると、どう考えてもこの道通り抜けられないというところに突き当たった。「この先矮小」みたいな看板はない。これが岩出市の特徴でもある。小さな団地が背中合わせに造られており、家が見えているのにそこに行けないし、その家に行く道がずっと先の方にあって、どこから入ればたどり着くのかが、分かりにくい。この街にはきちんとした都市計画がないので、こんなことがたくさん生じている。火事や地震などの災害に弱いだろう。
ぼくの車は後ろの明かりが暗いので、夜になるとバックがしにくい。もう少し明るく道を照らしてもらわないとスムーズにバックできない。こういうときはホントに困る。溝が両脇にある道だったので、四苦八苦しながら道をバックで戻って、車をUターンさせ、今度は西の方に向いて車を走らせ、途中で左折して、広い道に出ようとした。この進路採択によって、車は和歌山市に入ったようだ。粉河加太線に戻って車を走らせると、かなり先に宴会の会場だったお店の前に出た。
京奈和に乗って、かつらぎ西インターで降りた。すると後ろからパトカーが付いてきた。車間距離が近い。笠田中の跨線橋のローソンの信号を過ぎ、跨線橋を上るとサイレンらしきものが聞こえ、ライトのパッシングが見えた。カーステレオの音楽を絞ると「止まりなさい」という声が確認でいた。
「一旦停止しなかったということか。止まったよな」
そう思いながら跨線橋を降り、24号との信号の手前、元ファミマの横に車を停めた。
京奈和かつらぎ西インターには、降り口のところ、PAの横に一旦止まれの標識がある。ここはいつもきちんと止まるように心がけている。普通、PAの降り口に一旦止まれなんていう標識は少ない。かつらぎ西インターは、京奈和の計画が出来上がった後、「やっぱりここにインターが欲しい」ということになって、造られたものだ。この一旦停止の標識以降の道は、中央分離帯のない対面通行の道になっている。こんな形のインターは珍しいだろう。一旦停止の標識は、この交差点が下から上ってきた車の駐車場への導入口にもなっているので、危険を回避するために造られたものだった。
制服の警官が2人降りてきた。1人は小柄な細身の女性警官だ。雪が降り始めていた。ヘッドライトの光にはじかれて雪が舞っているのが見える。
「一旦停止しなかったでしょ」
ウインドウを明けると、筆記用バインダーをお腹に押し当てた警官が話しかけてきた。ほうれい線が深い年配の警官だった。警察にも再任用や会計年度があるんだろうかと思ってしまった。
「止まりましたよ。いつもあそこは注意してますから」
「いや、止まらなかったですよ。私たちは3人で見てましたから」
「いや、止まったはずです。いつも止まっていますから」
「どこの場所か分かりますか」
「京奈和の降り口でしょ」
「パトカーは見えましたか」
「かなり後ろの方にいたんじゃないですか」
「違います。私たちは駐車場にいました」
雪の降る中でこんなやり取りになった。
ぼくが、警告を無視してファミマの前まで走ってきたのではないかという疑いもかけられた。
「サイレンを鳴らしたんですが音は聞こえなかったですか」
「聞こえなかったです。ゆっくり走っていたでしょう。気が付いたのは跨線橋のところからです」
そういうやり取りをした後、免許証を渡し、本人確認をして切符を切られることになった。
書類作成のために警官が後ろのパトカーに引っ込んだ。あーあ、災難だなという気持ちになった。
雪の降る中を今度は3人の警官が車から降りてきた。若い方の男性警官がウインドウの横に立った。
「過去2年以内に違反はないですよね」
「粉河に信号が2つ付いているところがあるでしょ。今は廃止された。そこで白バイに信号無視だということで切符を切られました」
「自分が違反したことは問い合わせれば分かるんですか。ネットで検索すればいいですか」
「インターネットでは分かりません。かつらぎ警察でも交通センターでも分かります」
「電話で問い合わせれば教えてもらえるんですか」
「いや、書類を書いてもらうことになります」
「不便ですね。分かりました」
警察のデジタル化は遅れている。
「印鑑をお持ちではないですよね」
「持っています」
「シャチハタは駄目です」
「シャチハタではありません」
そう言いってから、生まれて初めて、違反の青い色の用紙に印鑑を押した。違反の金額は7000円だった。災難は雪の中で降ってくる。
自宅に帰って、信号無視でBlogを検索してみた。2年以上前の違反のことが克明に書いてあった。記録は便利だ。




あのですね、
頭にきますね。俺も20年ぐらい前ですけどね、仕事で、枕崎を車で走っていたんですよ。込み入った変則三叉路の手前に一旦停止のマークがあったんで、一旦停止して安全を確認して発車したんです。するとパトカーがサイレン鳴らして追いかけて来るじゃないですか。何事かと思い、車を路肩に停めてドアの窓を開けると、パトカーから降りてきた警官が、
「はい、アナタ一旦停止しませんでしたね」
と言うから、
「いえ、しましたよ、あそこは危険な場所であるからいつも一旦停止しています」
と答えると、警官は、
「兎に角、免許証を持って降りてください」
と言って俺はパトカーの後部座席に入れられた。
「免許証をお預かりします」
と言って切符を書き始めた。頭にきた俺は、
「俺は一旦停止したと言っているだろうが!」
と激昂して、
「切符にはサインしないぞ、裁判する!」
と言ったのだが、警官は、
「どうぞご自由に。こちらは二人でみていたから裁判するだけ無駄だと思いますが、裁判したければそれはアナタの自由だからアナタの勝手です。ただね、裁判して警察が負けた事は一度も無いんです。裁判は大変ですよ、アナタ」
二対一では勝ち目がない。
俺は項垂れ、切符にサインし、印鑑が無かったので母印を押した。
えええい! 思い出したら腹たってきたわい。
お巡りさんの歌でも貼り付けよう。
https://youtu.be/Hg1Fes8j5po?si=OGaYuTAFVpsMcfx9
跨線橋(こせんきょう)とは、鉄道線路の上をまたぐように架けられた橋のことです。主に、線路を横断する人の安全を確保するために設置されます。
例えば、1番ホームから2番ホームに渡る為の橋ですよね。東芝さんは間違って使っておりませんか? よく跨線橋が出てくので気になっておりました。
道路を跨ぐ場合には跨道橋と言います。
友人から指摘があり、どちらでもいい事が分かった。失礼致しました。
言葉の思い込みは怖いですね。
どちらでもいい、じゃなくて、跨線橋でいいと言う事です。
つまり、道路の下を鉄道が走っている、という事ですね。
そうです。かつらぎ町には4か所あります。
東芝さん、1番ホームから階段を登って、天井のある空中廊下を渡り2番ホームに階段を降りて行くあの設備は何というのでしょうか。J Rに問い合わせたのですが、女の人のガイダンスが流れてきて、なかなか当該する項目が無く、オペレーターに繋いで貰ったら、矢張りガイダンスで
「今、お電話が大変混み合っています。暫くたってからお掛け直しください」
と言うばかりで電話が繋がりません。
正式には跨線人道橋というらしいです。
有難う御座います。
流石は東芝さんですね。モヤモヤが解消しました。感謝します。小説を書く場合に役立つ事があるかもしれません。本当に有り難うございました。