虫の居所
朝から和歌山市に行き、会議の後、後期高齢者医療広域連合にお邪魔して、ヒアリングをさせていただいた。こういうことをしないと、議案の理解は進まない。驚いたのは、一般質問の通告の仕方だった。一括質問と一括答弁方式なのだという。最初に全部質問して、全部答弁するのが申し合わせになっているのだという。
ぼくは、3問の中で自由に質問を組み立てさせてもらうと言った。それはダメですという押し問答に近いやり取りのあと、これを受け入れた。
議会は、議員が活動しやすいようにルールを決めればいいのに、自分たちで、活動しにくい仕組みを作っている。これは理解し難いものだ。活動しやすい仕組みよりも、当局への配慮の方が勝っている。とくに後期高齢者医療広域連合の議員の基本は、何も発言しない、反対討論があっても賛成討論はしないという特異な議会だ。わが町の議員も広域連合議員になっていたが、ある議員は、「あの議会はもう何もかも決まっている。それを追認するだけや」と言っていた。
「いやいや、議会の仕組みは同じですよ」
ぼくはそう言ったことがある。
議員の手をがんじがらめに縛る、意味不明の「申し合わせ事項」を作ったのは議員たちだ。会議が始まる前から早く終わってほしいという空気感もある。共産党の議員がいないと、何も発言しないまま、1600億円という大規模な給付を含む予算が決まることも多い。
議員の活動の手を縛るけったいなルールは、基礎自治体である市町村にさえある。しかもこれが多い。
「質疑は3回まで」
これは標準会議規則にうたわれている全国的なルールの1つだが、議会改革の中でこのルールの見直しも始まっている。かつらぎ町議会でぼくは、せめて5回にしようと提案したが、議員間の合意は得られなかった。
「この質疑で3回目の質問だね」
そう思って最終コーナーを逃げ切る馬のごとく、議員の質疑を振り切るような答弁も当局の中にはある。
変な縛りは取り払う努力が必要だが、力関係の中で甘んじて受け入れている仲間たちもいる。
「言っても実現しない」
のではなく、実現するまで要求し続けることが大切だ。
虫の居所が悪くなった。



