議案説明の改善策
27日から3月会議(議会)が始まった。本日は提案説明のための議会だった。住民がネット配信が行われているが、提案説明を見ても、退屈で分からないだろう。それは議員も同じ。難しい資料を読み上げるだけの説明がほとんどなので、長時間の説明が、苦痛以外の何物でもない。もっと、住民が傍聴しても、分かりやすくワクワクするような説明はできるだろうと思う。では、そこに近づくために、何をなすべきなのか。議案説明についての感想と改善策を書いてみよう。
一般会計の説明は40分。ほとんど予算の財政的な説明資料を読み上げつつ、前年度比で何パーセントプラスかマイナスかということを補足するだけのものだった。主要施策の事業について簡単な補足説明が数件あったが、それは、今年度の一般会計の説明をしたとはいいがたい。この説明の仕方で、議員が深い質疑をできることはないだろう。どうやって議員に一般会計予算と特徴を伝え、新しい施策や充実しようとしている施策の本質につて伝えるのか。こういう視点がないように思う。
町長が、所信表明的な挨拶を行い、一般会計における重点施策について説明するのだから、この挨拶に沿って、必要な補足説明を行うことが重要なのではないだろうか。
町長は、なぜこの施策を導入したのかを率直に語る人なので、この人が発言すると分かりやすくなる。主要施策にも導入の背景や経過、考え方が少し示されているが、余りにも書き方が浅い。国が情報開示しているPowerPointによるネット上の資料の方が、はるかに施策導入の意図が伝わるようになっている。身近な行政なのに、国のような説明資料は見当たらないとも言える。なぜ、どうしてこの施策を実施するのか。課題とともに導入の意図を鮮明にする工夫をすれば、施策の説明はもっと分かりやすくなる。
議員が理解したいのは、施策の内容と会計への理解だと思う。議員とやり取りをしていると、当然の前提だと思っていることについて、不理解があったりする。ベテランの議員でもそうだ。これを書いているぼくにも同じ問題があるだろう。会計への理解を促進するためには、会計の分析とともに、事項別明細書に沿った詳細な理解が必要になる。
後期高齢者の議会は、ぼくの求めに応じて、予算の説明資料を付けるようになった。この説明資料は、予算書に沿って、細かく事業の内訳や計算の根拠が分かる資料になっている。この資料があれば、質疑を組み立てやすい。内容を問う質疑は必要はなくなる。内訳、内容をふまえた質疑が最初からできる。この資料があれば、予算の説明を重点的にしても、内容は議員に伝わる。読めば内容を理解できるような資料の作成を行ってくれれば、議員は活動しやすい。
かつらぎ町は、重点施策について主要施策一覧を作成するようになったので、施策の内容については、かなり分かるようになったが、会計を理解するという点では、後期高齢者医療広域連合議会のようにはなっていない。
改善策としては、財務会計から事項別明細書に書き出すのはそのままにして、別冊の会計説明資料を作成すればいいのではないだろうか。そうすれば、事項別明細書はページ数も少なくなり、財務会計から作り出される資料に手を加える必要もなくなる。
本町は、財務会計から事項別明細書を作成するためにエクセルに書き出し、そこから説明欄に手を加えるという方法を採っている。この方法では、予算に修正を加えると、もう一度事項別明細書を作成し直す必要が生じる。
財務会計から事項別明細書を書き出すこと、説明資料はエクセルで作成するという2本立てにすれば、議員の理解を促進できる予算書ができるのではないだろうか。予算の修正議決が行われても、説明資料を再作成する必要はないというルールを確認しておけば、議員による予算修正が行われても、説明資料を書き直す必要はなくなる。
予算分析については、当局による公式見解として、予算を分析したものがいるだろう。これがないのも問題だと思われる。町当局として、予算の説明資料から何を分析として読み取っているのか。これを公式見解として議員に示すことも求められている。これは新しい次元の課題だと思われる。
特別会計の説明の中で、健康推進課長は、国保と天野診療所、後期高齢者、介護の会計にの全体の特徴を最初に述べた。この説明の仕方は、全ての会計に導入できると思われる。この説明の仕方の先に、会計の分析もある。この方向を発展させれば、議員に内容が伝わる説明へと脱皮できるのではないだろうか。



