斎場でのお通夜
11月1日に行われる9条平和まつりの広告チラシの印刷を行った。去年と同じようにKさんに印刷を手伝ってもらい、午後2時前に終了した。
裏面の印刷が、ときどき紙送りのまずさで、印刷がズレてしまう。これはいかんともしがたかった。
紙をさばいて整えるだけでいい。調べるとそう書いていた。手で空気を抜く作業をすると、新たな静電気が発生するらしい。紙を揃えないことには問題がありそうだが、紙を揃えて、手の甲で空気を抜く作業はやめた方がいいらしい。今度からは紙を揃えるだけにしよう。
その後は役場に集金に行った。夜、会議が予定されていたが、Mさんの連れあいのお母さんが亡くなったので、会議が中止され、お通夜に行くことになった。
斎場でのお通夜は久しぶりだった。Mさんの連れあいは、新婦人日本の会の役員をされているので、女性の弔問客が多かった。式の始まる前、柩のまわりに集まった人たちは、お顔を見て言葉を交わしていた。ぼくは、誰とも会話することなく、式が始まるのを待った。亡くなったお母さんは98歳。娘が母親を見守るため、知り合いのいない和歌山県に来て、住んでいた小柄な優しい感じの女性だった。
橋本の人から、通夜にどう行けばいいのかという説明を求められた。斎場に行く道は、よく分からない。言葉で説明するのが難しい。案内の表示が十分でない。
「京奈和の下をトンネルのように道が続き、そこからは一本道。登って行けば斎場に着きます」
ぼくはそう説明したが、電話の向こうで不安が溜まっていく感じだった。
「携帯でカーナビをセットしてください」ということは、今回言わなかった。
妙寺の議員が、以前、斎場への道が暗いのと、案内標識が十分でないことを質疑していたことがある。それからずいぶん時間が経っているのに、実態はほとんど変わっていない。
通夜の時間が迫る少し前に、その人が受付にやってきた。ぼくは入り口付近に坐っていたので声を掛けた。
「無事に来られましたか」
「ううん、道に迷った」
一本筋の違う道を登ったらしい。申し訳ない気持ちになった。











