向き合っている勢力は極めて大きい

雑感

日本共産党の議席が8から4に半減した。中道は惨敗と表現された。こちらは167が49と3分の1以下になったのでこういう表現になるだろうか。れいわが8から1になったので中道以上の減少となった。参政党が2から15、チームみらいが0から11、維新が34から36に、国民民主が27から28になった。自民党は198から316になった。

小選挙区制によって、得票率が議席に反映しないので、自民党のような勝ち方ができるといえる。1人しか通らない小選挙区制があるかぎり、相対的に「人気」が高いとこのような結果になる。

高市早苗総理の人気の高さが、自民党を押し上げて歴史的な大勝、圧勝となった。

私たち国民は、生の現実に全て向き合うことはできない。国政の問題はメディアを通じて理解せざるを得ない。しかし、日本のマスメディアは、国政選挙を競馬のレースと同じように捉え、あたかも各政党が議席獲得のレースをしているように描き、予想記事ばかりを書いている。外国にもそういう記事はあるようだが、報道の主軸は、各政党の政策の検証にあるという。国民に政策的な選択肢を与える役割をメディアが果たすのだという。しかし、日本のメディアはそういう役割を担わない。

同時にメディアはオールドメディアと呼ばれ、メディアに触れない国民を多数生み出しており、ネット遊民みたいな状態を作っている。しかし、今やインターネットの世界は、巨大な資本に支配され、オールドメディアを否定する人々をお金の力で巧みに導いている。その結果、テレビもインターネットも、自民党の自民党の安全保障調査会、政府の国家安全保障会議(NSC)」とその事務局である「国家安全保障局(NSS)」が多額の予算を使って、世論調査などの分析を行い、どうすれば、国民の中に政府の政策や戦略が受け入れられて行くのかを、徹底的に分析しつつ対策が講じられている。インターネットでは、マーケティングの手法が活用され、世論に影響を与えるよう対策が行われている。

NHKのスポンサーの一人が政府であり予算と人事を握っている。民放テレビは、それ自体が日本経団連の一員であり、スポンサー企業が、実は多くの政府の諮問機関に入り、政策に巨大な影響を与えているので、極めてシームレスな連携の下で政財官の連携が図られている。国民世論が誘導されているように見えるのは、こういう傾向と対策の中にテレビとメディアが置かれているからだ。

高市政権は、最初からアベノミクスの継承を打ち出し、安倍政権の復活をアピールした。しかし、メディアはあたかも高市さんがアメリカの大統領のように白紙委任のような報道をした。初の女性総理が誕生し、ガラスの天井を破り、明確な言葉を持って活動する颯爽とした女性という描き方をした。これが高市さんへの幻想を生み出した。今回の選挙は、金権腐敗の自民党の凋落を描いた参議院選挙に対する傾向と対策の結果、アベノミクスを継承する高市早苗さんが総理として誕生したので、金権腐敗問題を強制終了し、裏金問題の渦中にあった議員の復活を果たし、今回の選挙結果を生み出した。

高市さんに対する白紙委任は、誕生したときから組織されてきた戦略だった。日本は、もう既に政界と産業界の中に、緩やかな大政翼賛会、産業報国会が組織され、戦争を行える国への暴走を始めている。この戦略の中で、日本共産党、れいわ新選組、社民党の敗北が生み出された。

憲法を守り平和を守ろうとする勢力が、少数に押し込められたのは、こういう力関係の中で起こった現象だった。

高市政権やメディアやネットを操っている陰謀的な組織は存在しない。そんな単純な話ではなく、自民党や政府の機構、積み重ねてきたメディアと政府の関係、企業との関係の中で、ぼくたちが思っている以上に巨大な仕組みが機能して、日本が1つの方向に動いているということだ。国民の高市総理への熱狂は、情報化時代の巧みな分析の力として、私たちの前に立ちはだかっている。おそらくこの仕組みが有効に機能したのは、小泉内閣の郵政民営化選挙だったとも言えるかも知れない。今回の自民党圧勝は、この仕組みが有効に働いた結果だった。

雑感

Posted by 東芝 弘明