職員の残業代を払わない和歌山県かつらぎ町
朝6時前に起きて、討論と質疑の原稿を書いて、11時過ぎ頃には全部書き終えた。
明日は議会広報編集特別委員会。今日書思った以上にそれぞれ反対討論や賛成討論が多かった。
議会では、一般会計補正予算と条例案に対し反対討論を即興で行った。毎日ブログを書いているので、こういうことができるようになった。一応、即興で行っても文章になっている。脳は、ほとんどの問題を潜在意識下で処理している。考えていないようでいて、意識下で情報が処理されているので、頭に何も浮かんでいないかのような状態でも、きちんと話したいことは組み立っている。
文章を書く人は同じように感じているのだと思われる。毎日ぼくはブログを書いて、時には3時間ほど書いていることもあるが、書いている文章は、それなりにきちんと文章になっている。
書こうと思い、書き始めると文章はきちんと整った形で姿を現す。一行ずつ考えて書いているようでもあり、考えないで書いているようでもある。考えながら書いているときもあれば、書こうとするテーマにしたがって書けば、文章が自ずから整っていく場合がある。
さて、一般会計の反対討論は、何に対しておこなったのかを書いておこう。
12月議会に対する補正を見ていると、ほとんど残業代について補正がなされていなかった。町長は今年の3月20日の本会議で、5000万円残業代を計上しているので、これで残業代は全て払えると思われる。しかし、いろいろなことがあるので必要であれば補正で対応し、代休が積み重なるようなことにならないようにしたい。という趣旨の答弁を行っていた。
12月になると残業代も底をついてるだろう、ということで、事前にいくつかの課に尋ねて回った。
「予算要求をしたが、残業代は付かなかった」
こういう答えが返ってきた。
仕方がないので3月20日の議事録を引っ張り出して、質疑を準備した。
企画公室長に対し、各課からどれだけ残業代補正の予算要求があったのか。質疑はここから始めた。
総額は570万円を超えていた。
「町長による査定の中で残業代は計上しませんでした」
これが答弁だった。
「町長は自らの答弁を否定するのか。残業代未払いは犯罪です。町長自らが法を犯すのですか」
「職員が減員されている中で、仕事量が増えて残業が増えているんでしょう。町長が補正で対応すると議会答弁をしたので、総務課長も含めて残業代の補正を要求したんでしょう。職員が頑張っているのに、町長はそれを認めず、残業代を支払わなかったら職員の士気は落ちますよ。町長自らが職員のやる気を奪っています。なぜ残業代を支払わないのですか」
「地方公務員の一般行政職の職員は、労働基準監督署の対象外です。監督権限が及ばない。地方自治体は、法律にもとづいて仕事をするところなので、労働基準監督署の役割を果たすのは町長なんですよ。その町長が自ら法を守らなかったらどうなるんですか。告発されたら町長の手が後ろに回りますよ」
「まだ3月議会、残業代を精算する機会があります。3月で残業代を全部支払って下さい」
ぼくの方からは、こういう質疑を行った。
町長は、次のように答弁した。
「あまりににも各課で残業のアンバランスがありました。これはあくまでも勤務の割り振りです。予算がない中で残業命令を出すことはありません」
ぼくはこう反論した。
「勤務の割り振りという問題は、全部資料を明らかにして、勤務の割り振りになっていないことを突き止めた結果、『総務課長は、運用上改める必要があります。精査して対応したい』と答えたんです。その結果、町長が補正で対応したいとなったんです。どうして、もとの話に戻るんですか。平日の残業代を代休に割り振ることはできません。できるのは、月160時間を超えた場合、健康上の理由で代休にふり返ることができます。160時間を超えていない場合は、振り替えなんてできないんですよ。この問題は専門家に随分聞きました。裁判で決着が付くというのも違います。残業問題で裁判になっているのは、残業の事実があるかどうかを争う場合です。残業させていれば、支払うのは当たり前なんですよ。町長はもっと自分自身で法律を精査して下さい」
「あくまでも勤務の割り振り」
町長は重ねてこう答弁した。
かつらぎ町は、多くの職員が残業代を支払われず、永久代休という形で積み重なっている。退職するときにはこれを寄附するのが一般的。こういう状況があるのに、町長は、これを勤務の割り振りだと主張してきた。割り振って代休を取らないのは、職員の問題であり、役場には何ら問題がないとでもいうがごとくに。
町長は、残業が各課でアンバランスがあるのを理由にしている。なぜこういうことを理由にしているんだろう。ぼくは、残業代を予算要求した課としなかった課があると思っている。しなかった課についてはなぜかさらに調べてみたい。予算要求した課は、町長の答弁を信頼して予算要求したのは間違いない。
町長に裏切られた形になったのも間違いがない。
