平成28年度一般会計歳入歳出決算に対する反対討論

雑感

昨日反対討論のことに触れた記事を書いたので、実際の反対討論を載せておきたい。

平成28年度一般会計歳入歳出決算に対する反対討論

日本共産党を代表して、平成28年度かつらぎ町一般会計歳入歳出決算に対する反対討論を行います。
平成28年度予算は、井本町長の2期目のスタートとなるものであり、地方創生のための総合戦略を具体化した予算となりました。本町の総合戦略5つの柱は、①産業振興により雇用の場を創出する、②地域経済、地域活力につながる交流人口を拡大する、③安心して子どもを産み育てていくことのできる環境をつくる、④安全安心な定住環境をつくる、⑤時代にあった地域をつくるというものでした。しかし、私は予算の反対討論で、総合戦略として掲げた点の具体化が極めてあいまいで情熱のないものだと指摘しました。

この指摘は、平成28年の6月会議に出された四郷にある「国道480号沿地域振興交流施設建設事業」の指定管理の議案によって見事に的中しました。指定管理の業者は募集要件違反だった疑いが極めて強く、パン工房とレストラン、物産販売所の3つのセクションが全て赤字、唯一加工体験施設が黒字という承認できない事業計画でした。今年グランドオープンした「くしがきの里」は、募集要項の中心命題であるかつらぎ町の農産物と加工品で商品の50%以上を確保するという基本が守られず、唯一黒字になるはずの加工体験施設も設置されていない施設になっています。
第4回長期総合計画策定審議会の様子を伝えた資料では、「くしがきの里について、地域性が全く感じられない売り場構成になっている。品揃えを含めた中身の見直しが早急に必要」「くしがきの里は、あれだけ大きな施設なのに体験スペースがない」という意見がだされました。これは、28年6月の指定管理の議案の時点で反対したことが、まさに正鵠を射たものだったことを示しています。
平成28年度決算は、「くしがきの里」のプレオープンの時期に行われたものですが、募集要件の基本点を何重にも満たしていない事業計画を受け入れると、事業目的とは違うものになることは目に見えていたと言わざるを得ません。

議会は、行政に対するチェック機関です。ここに最大の使命があります。「国道480号沿地域振興交流施設建設事業」の指定管理の議案は、まさに議会としてチェック機能が問われた議案でした。決算委員会の委員長報告には、この事業の指摘がありません。議案に対する賛成や反対の態度がチェック機能にどのような影響を与えるのかを見事に表していると思います。
「くしがきの里」の事業は、かつらぎ町の事業展開の杜撰さを典型的に表しています。この問題に現れている傾向が、他の事業にも数多く見られ、ここに本町の最大の弱点があると言わなければなりません。

平成28年度決算は、収支の不足を補うために財政調整基金より2億1951万4000円を繰り入れる結果となりました。これに対し、企画公室長は、今後は人件費の削減で1億円、他の歳出抑制で1億円を削減する努力を行い、さらに中期的な見通しをもって、歳出抑制を行い、財政の均衡を計ると答弁し、町長も同様の答弁を行いました。
町は、財政危機を前面に立てて住民要求を抑え込むような傾向を戒めなければなりません。チェック機能を果たさなければならない議会は、平成28年度決算を踏まえ、平成29年度決算も含め、今後の財政運営を冷静に分析する責任を負っています。

今後のまちづくりの中心に据えるべきなのは、人口減少を本気になってくい止める努力を具体化するということです。これが交付税の減少をくいとめる最大の保障になります。人口を維持するためには、長期総合計画と総合戦略を踏まえて、定住人口の増加と交流人口の増加、少子化対策を通じて出生率を引き上げる努力を行う必要があります。その関係で子育て支援にも力を尽くすことが求められています。財政的な危機を振り回すのではなく、この危機をまちづくりへのエネルギーに転化することこそが問われています。

職員の減員は、住民サービスの低下だけでなく、町の行政水準そのものを低下させています。これが、事業の杜撰さに強く表れています。
このような状況になってる責任の多くは、町長と副町長の姿勢にあります。町職員の集団の力や意欲が引き出せないのはなぜなのか、自己分析を行う必要があります。

本町は、行政水準について一定の自負を持ってきた自治体です。法律に強く、制度に精通した職員によって本町の行政水準は維持されて来ました。今後かつらぎ町に必要なのは、職員同士の協力だと思われます。個々の職員の努力によって支えられてきた行政水準を、組織の民主的なマネジメントによって維持し、職員の意欲と活力を引き出すものにする努力が問われています。

小さな事業ですが、教育委員会による笠田地域で行った子どもの新たな居場所づくりの取り組みは、子どもの成長を通じて、関わった人々に感動と確信を生み出しており、同時に取り組んだ職員の強い意欲を引き出すものになりました。公務員は全体の奉仕者です。住民との接点で、いい仕事ができれば公務員としての意欲と活力は生まれます。町全体の仕事が、そういうものになるよう願いつつ、私の反対討論といたします。

雑感

Posted by 東芝 弘明