レジ袋に入れない商品
恵方巻きの日だった。オークワに行き、トイレに入っていると、店内アナウンスが流れた。寿司コーナーのお寿司が全品半額になるというアナウンスだった。両側に商品が綺麗に並んだ通路を過ぎて左に曲がり歩いていくと、人だかりが目に入ってきた。男の人が体を斜めに差し込んで、下を見ている。近づいて棚を覗き込むと、1000円を超える巻き寿司に半額のシールが貼られていた。500円ほどなら安い。そう感じつつ妻が買ってくるだろうと思い、その場を離れた。
目当てはチョコレート。アーモンドチョコのパッケージとワイン入りの袋に入ったチョコを手に取って、レジの横に立った。順番がきたので、
「ポイントを使います」
と伝えると若い女性の店員は、そちらで操作してくださいと言って、手で自動支払い機を案内した。
機械の前に立つとポイントで支払うというボタンがあり、押すと自分が保有しているポイントが表示され、ポイントの一部で全額支払えることが分かった。金額に見合うポイント数を入力して、レシートを受け取った。精算済みのカゴから出して、商品を裸でもって外に出る。袋に入れない商品をそのまま持っていると、ちょっと周りの目が気になる。
「私はお金を払っています。レシートもあります」と身の潔白を訴えたいような意識が蠢めく。店内に戻ったらややこしくなる。
買った商品と買っていない商品との見極めはできるんだろうか。
「レジを通過した商品は、もう一度レジを通すとアラートが出るという仕組みになっています」
ということなんだろうか。
まさかなあ。と思いつつ、暗くなった駐車場を歩いて車に乗り込んだ。
