松竹氏への反論に反響が起こった
松竹伸幸氏の志位和夫さんの資本論解説本(赤い本です)に対するYouTubeの動画について、少し丁寧に日本共産党の『自由と民主主義の宣言』も含めて反論の記事を書いた。これに対してFacebookではかなりシェアしてくれる人たちがいた。日本共産党に対する批判に、党員や支持者の方々が、心を痛めたり、不安になったりしているような気がする。
たまたま、お盆休みで時間ができたので、といっても早朝配達のあと、松竹氏の動画を見て、反論するための原稿を書いたということだが(それで寝不足になった)。
松竹氏の批判は底が浅いように感じる。ぼくのFacebookに経済学者の方がコメントを書き込んでくださったが、こっちの方へのコメントの方が時間がかかった。書くために久しぶりに『自由と民主主義の宣言』をプリントアウトして読んだ。この文書は、綱領改定前の1996年に一部改定されてからバージョンアップされていない。28回党大会の綱領改定を踏まえて、この『自由と民主主義の宣言』は改定される必要がある。改定されれば、日本共産党が社会主義に向かって何を重視して自由と民主主義を発展させるのかということが、より一層鮮明になる。28回党大会の綱領改定を力に、世に新しい『自由と民主主義の宣言』を出してほしい。
1961年に採択され、その後一部改正が行われてきたものの、61年綱領をベースにした綱領は、新しい人民の民主主義革命から連続して社会主義革命へという、2段階連続革命という方針だった。しかし、今の綱領は、民主連合政府を民主主義革命で樹立する政府だとし、そこから先の社会主義的変革は、かなり長期に渡る変革になるということとなった。生産手段の社会化を実現していくプロセスには、試行錯誤やかなり豊かな多様性が求められるし、何世代にもわたる改善が必要になるというものになっている。市場経済を土台にして社会主義に移行していくときに、自由と民主主義の保障が社会の基本として坐らなければならない。
この視点に立った『自由と民主主義の宣言』がほしい。
資本主義から社会主義へというプロセスの中で、最も大事なものの一つは、資本主義的な経済のさまざまな法則を十分把握したうえで、どうやってこの仕組みを、より国民本位なものに改善していくかということになる。マルクスの資本論の解明を古いと考える人は多いだろうが、社会主義建設にとって必要なのは、資本主義社会の徹底した分析と総合に依拠した社会の変革だろう。資本主義の諸問題を徹底的に解明した資本論は、そのときにも大きな力を発揮するに違いない。もちろん、マルクスが生きた資本主義社会は、今から見ればほんの初期の段階だった。その後の資本主義的発展の中で、マルクスの視野に入っていなかった問題はたくさんあるだろう。マルクスが今の時代に生きていたら、それらの分野の法則の解明に力を尽くしていただろうと思われる。
ソ連や中国は、資本主義分析や総合を社会に生かすという点で、大きな誤りを犯したと思っている。資本主義を排除して、一党独裁の体制をしき、計画経済=社会主義だとして、民主主義がない社会の上に、政治的な力で「社会主義」なるものを建設した。ソ連は、ソ連共産党の独裁体制をヨーロッパの社会主義国にも押しつけ、秘密警察までつくらせて、国民を徹底的な管理の下に置いた。
個人の自由と民主主義を保障しない社会主義なんてあり得ない。社会主義建設において、マルクスが解明した資本主義社会の分析や総合は、ほとんど生かされなかったいえるだろう。経済法則がどう具体的に働いているのかということをきちんと見ないで、生産手段の社会化=社会主義だといって、国民にそれを押しつけたソ連社会は、国外的には覇権主義、国内的には独裁国家として崩壊せざるを得なかった。
東ヨーロッパの社会主義国には、かなり発達した資本主義から社会主義へ移行した国があった。東ドイツとチェコスロバキア。しかし、これらの国にもソ連はソ連型の社会体制を押しつけ、ソ連から見ればソ連に反する改革を行おうとしたチェコスロバキアには、ワルシャワ条約機構軍を組織し軍事侵攻して徹底的に弾圧した。
日本は高度に発達した資本主義国で、かつては世界第2位の経済大国だった。ジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれたときを頂点にして、アメリカ流の経済社会への転換を図り、新自由主義的改革をすすめたころから、深い深い凋落が始まった。根底に横たわっているのは、アメリカに軍事、外交、経済で従属する社会体制を戦後ずっと続けてきた中で、経済が発展しなくなったということだった。半植民地的な社会が、自主性を失えば、資本主義的な経済大国であっても、自主的な発展の芽が摘み取られ、社会発展が阻害されていく。まさに日本はその典型といえるような道をたどっている。
山辺も海辺も田舎に必要だったのは、第一次産業の発展だった。第二次世界大戦の教訓の一つは、食糧自給率の引き上げにあったのに、日本はアメリカへの従属の中で、第一次産業は各分野でボロボロになってしまった。地方経済の落ち込みは凄まじい。地域の人口減少は、社会としての持続可能性まで奪いかねなくなっている。
松竹氏は、なぜ発達した資本主義から社会主義に移行した国が東ヨーロッパの社会主義国にあったのにどうして社会主義として発展しなかったのかという疑問を呈していたが、それこそ、松竹氏がいた党中央の機関は、十分それを見ていたのではなかったかと思われる。
底の浅い日本共産党批判に振り回される必要はないし、松竹氏を語気強く批判する必要もないが、間違った言説に対しては、丁寧に反論する必要はあるだろう。その中で日本共産党の理論が、多方面に発展すればいい。批判に非難は必要ない。










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