庁舎建設でできる賑わいは小さくてもいい

出来事,かつらぎ町議会

朝10時から庁舎建設調査検討委員会が開かれた。オリエンタルコンサツタンツというコンサルタント会社の社員5人の方に出席していただき、委員会による一般会議ということで、説明を受け、質疑という形になった。町当局が参加するのは少し驚きだった。PPP、PFIという官民連携事業の説明を会社から受けた。町の説明よりも詳しい。庁舎建設の財源のところは、「基金、補助金+町債+民間資金(金融機関から借入)となっていた。この説明資料に違和感があったので質問した。この質問に対して、町は過疎債が活用できるかどうかという説明を行った。過疎債が使える?という話は初めてのことだったので驚いた。過疎債は使えないと聞いていたので、この驚きは大きかった。過疎債が全面的に使えるのであれば、資金調達の問題は大きく違ってくる。この話がどうして、コンサルタント会社に委託した以降に出てくるのか。ほんと、よく分からない。

ぼくは、町の説明にもとづいて事業を認識していた。会議の後で資料を調べ直すと、町による1月18日の官民連携事業の資料では、比較表に整理されており、従来方式(官民連携事業出ない建設方法)の財源は「一般財源・起債等」と書き、官民連携事業(PPP、PFI)については、「民間が調達」するとなっていた。ぼくはこの資料に基づいて、事業を認識していたので、基金(貯金)の4億1000万円以外の資金はすべて民間が調達し、それを町が返済すると思っていた。

従来方式で建設する場合は、庁舎に対し一般的な起債が使えるという話は聞いていた。記載は75%、25%が一般財源という話だったが、75%の方にも利息がつくし交付税算入がない。補助金も調べているが見当たらない、25%の一般財源も確保できないというものだった。この話は2月時点のものだった。官民連携事業では、この起債を採用しないと思っていたのは、ぼくだけだろうか。

町の説明に対して、いつも率直に質問するが、議論はかみ合わない。意味の分からない答弁が多い。質問に対してまっすぐ答えが返ってこないので時間がかかる。

伴走型の支援事業は2年間。スケジュールはタイトだという話は、コンサツタント会社からの説明にあった。タイトな時間設定の中で無理して行うと、住民との協議の日程がほんのわずかになってくる。ここを一番懸念している。住民への情報提供と説明、キャッチボールには時間がかかる。計画の期間が短く、時間がないと住民とのキャッチボールを短縮することにならざるを得ない。十分な時間設定をしないと住民は置き去りになってしまう。はじめから2年間という期間を大きく伸ばして事業を行うべきだというのがぼくの要求なので、民間事業者の前で期間を延ばすべきだと質問したが、町は、この日程の中でやりたいという意向を変えず、期間については「場合によっては計画の変更もありうる」という説明を繰り返した。

賑わいの創設でコンサルタント会社から語られたのは、コンビニやコメダ珈琲の事例だった。この件については、説明資料にこう書いていた。

市場調査とは、民間事業者との意見交換等を実施し、事業の実現可能性や、事業 に対する意見・要望、関心度合いを把握する調査

事業公募しても、募集する条件が民間事業者と全く合わずに応募がゼロであることもあります。
町と民間事業者が公募前に対話し、意見の擦り合わせや実現可能性・ポテ ンシャルを確認してから、公募することで、双方にとって良い条件とすることが可能になります。
説明会型や対話型、アンケート調査型など様々な実施方法があります。

本事業においては、独立採算事業の跡地活用が参画可能性の面でハードルが高い可能性 があるので、コンビニや鮮食施設、ドラッグストア等の事業者に出店に向けたアンケー 調査を実施し、庁舎事業の中心となる代表企業にヒアリング調査を実施し、概ねの事業スキームを固めた上で、全体に向けて説明会調査をする3段階を予定しています。

町は、庁舎建設を一つの手段として賑わいをつくることを目的に事業をすすめるとしているが、こういう書き方はコンサツタント会社の資料にはなかった。30億円から60億円になるかも知れない庁舎建設を手段に賑わいをつくるといわれてきたので、いったいどのような、あっと驚く民間企業がやって来るのかと思っていたが、コンサルタント会社の考え方は、極めておとなしいもので、現実的だった。民間企業の誘致をすすめてもうまくいかない場合は、庁舎建設のみになる。コンサルタント会社の資料は、そういう可能性にも触れるものだった。

市場調査についても、全国リサーチをかけて、町民があっと驚くような調査報告が行われ、見たことも聞いたこともないようなユニークな企業がやってきて、かつらぎ町に福音をもたらすようなイメージが、ぼくの中にもあった。しかし、市場調査というのは、民間企業に対する意向調査が中心のようなので、おとなしい、現実可能な賑わいの創出になる感じがした。これでいい。地道に地に足を付けた計画になることを望みたい。


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出来事,かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明