ブランクキーの話
ブランクキーという名のキーのことを初めて知った。キーを作成した会社の純正部品も含め、カギのギザギザを切っていないキーのことをブランクキーと呼ぶ。
インターネットで純正部品であるブランクキーも簡単に手に入る。ホンダスーパーカブのスペアキーを失ってしまい、マスターキーだけになった。このキーを失ったら大変なことになるので、スペアキーを作りたいと思い立った。コメリに行き合鍵を作成しようと思い立ち、作りに行くと、在庫がないので取り寄せるということになった。それがお盆前の出来事だった。
「入荷しました」という連絡が入ったので、合鍵を作りに行った。しかし、作ってもらった合鍵は太くてキーボックスに差し込めなかった。返品して代金を返してもらったときに「そうだ、純正のキーを買おう」と思い立った。
モノタロウというサイトが安い。ホンダスーパーカブ110プロという単車のキーがあり、溝を確認して間違いなしだと判断して注文した。シメシメ。これで完璧な合鍵ができる。そう思った。
コメリに電話を入れ、ナフコに電話を入れ、地域の合鍵屋さんに足を運んだ。この過程でキーでギザギザを切っていないキーのことをブランクキーと呼ぶのが分かった。
「お客様が持ち込まれたキーを削って、合鍵を作るサービスはしておりません」
これが全てのお店の考えだった。
「純正のキーでもダメですか」
「ダメです。申し訳ありません」
ということだった。どうして?。結局、持ち込まれたキーが折れたり、合鍵を作ってもキーが合わなかったりすると、保証が一切できないので、お断りをしているということだった。
「餃子の王将に持ち込みの冷凍餃子を焼いてくれというような話ですよ」
そう説明してくれたお店もあった。
ただし、純正のブランクキーを持ち込んでも削ってくれる鍵屋さんは、和歌山市内にあった。そこに行って鍵を作りたい。そう思っている。